かんがい施設遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/16 10:24 UTC 版)
展開
水文学を推進するユネスコは水資源管理の観点から、国連食糧農業機関は世界重要農業遺産システム(農業遺産)の観点から、かんがい施設遺産を支援している。
展望
ユネスコや国際連合未加盟のため世界遺産などの各種遺産事業に参加できない台湾(中華民国)だが、国際かんがい排水委員会へは加盟しており、烏山頭ダムの登録の可能性がある(築100年経過の条件から2020年まで待たなければならない)。
国内施策
農林水産省では文化財としての価値を有する農業水利施設等の土地改良施設を対象に、農村地域における生活空間の質的向上を図りつつ、土地改良施設の整備を契機に地域一体となった農業水利施設の維持・保全体制の構築を目的とする「地域用水環境整備事業」を推進。
また国土交通省は歴史まちづくり法により、農村地域の水路・ダム・ため池等の農業水利施設の保全管理または整備と地域用水の多面的な機能の維持増進に資する施設の整備を行うことを目的とする「地域用水環境整備事業」を展開している。
さらに農水省は、日本農業遺産も含めた農事関連遺産を観光資源として活用すべく、郷土料理や自然散策を組み合わせたモデルコースを策定し、かんがい施設遺産からは長野県の拾ヶ堰と熊本県の菊池のかんがい用水群(世界農業遺産・阿蘇の草原の維持と持続的農業との組み合わせ)が選ばれた[2][3]。
参照(外部リンク)
関連項目
注釈
- ^ 信濃毎日新聞は2014年9月17日号[リンク切れ]で長野県茅野市が申請していた滝之湯堰・大河原堰を仮登録と報じているが正確には登録見送りの誤報
- ^ 朝倉の水車は平成29年7月九州北部豪雨により破損したが、その後復旧したことから、2017年の国際かんがい排水委員会の会合では登録抹消などの措置をとらないことを確認した
- ^ 2015年は宮城県大崎市の内川、山梨県北杜市の村山六ヶ村堰疏水、長野県茅野市の滝之湯堰・大河原堰(再申請)、長野県安曇野市・松本市の拾ヶ堰、静岡県三島市の源兵衛川、三重県津市の南家城川口井水、山口県宇部市の常盤湖も立候補していたが審査継続となり、全て2016年に登録となった
- ^ 幸野溝・百太郎溝は水上村も申請地であったが、熊本地震 (2016年)により辞退
- ^ 本来は文字通り「岩木川の淵に築いた土手状の堰(取水堤)」のことだが近代化改修で現存せず、現在では用水路そのものの名称となっている。流域で水を貯える津軽富士見湖(廻堰大溜池)も関連資産として対象に含まれる。
- ^ 審査にあたり大阪府北部地震と平成30年7月豪雨の被災状況が確認された
- ^ 2020年の登録審査は12月1~7日にモロッコのマラケシュで開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染症の流行により中止となり、12月8日にオンライン会議での執行理事会で可決された。
- ^ 2023年9月8日に発生したマラケシュ-サフィ地震によって被災が確認された
- ^ 審査にあたり2023年2月6日に発生したトルコ・シリア地震の被災状況が確認された
出典
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