かんかんのうとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > かんかんのうの意味・解説 

かんかん‐のう【看看×兮】

読み方:かんかんのう

看看踊(かんかんおど)り


かんかんのう

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/29 19:00 UTC 版)

『看々踊之哥』渓斎英泉

かんかんのう」(看看兮)は、日本俗謡江戸時代から明治時代にかけて民衆によって広く唱われていた。別名「看々踊(かんかんおどり)」。

元歌は清楽の「九連環」だが、歌詞もメロディー(試聴)も元歌とはかなり変わっている。古典落語らくだ」に重要なモチーフとして登場する。

歴史

文政3年(1820年)の春、長崎の人が難波堀江の荒木座で踊った「唐人踊(とうじんおどり)」に始まる。これは、唐人ふうの扮装をした踊り手が、清楽の「九連環」の替え歌と、鉄鼓、太鼓胡弓蛇皮線などの伴奏にあわせて踊る、という興行的な出し物だった。 この踊りは1862年(文久2年)刊行の『雲錦随筆』(大坂の画家・暁鐘成 作)にも、挿絵付で述べられている[1]


その後、「唐人踊」は名古屋や江戸にも広まって大流行となった。流行の過熱のあまり、文政5年2月には禁令が出るほどであった。その後も庶民のあいだでは、「看々踊」や、その歌である「かんかんのう」が歌い継がれた。

その歌詞は、バージョンによって微妙に異なるが、以下のようなものである。

 かんかんのう きうれんす

 きゅうはきゅうれんす

 さんしょならえ さあいほう

 にいかんさんいんぴんたい

 やめあんろ

 めんこんふほうて

 しいかんさん

 もえもんとわえ

 ぴいほう ぴいほう

「九連環」の歌詞。明治十年刊『月琴楽譜』より

上記の元歌となった「九連環」の一番の歌詞は、以下のとおりである。

 カン カン エエ スウ  テ キウ レン クワン

 キウ ヤ キウ レン クワン

 シャン シュ ナア ライ キャイ ポ カイ

 ナア バア タウ ルウ カ

 カ ポ ドワン リャウ エエ エエ ユウ

「かんかんのう」は「カンカンヌウ(看看奴)」すなわち「奴(女性の一人称。わたし)をちょっと見て」、「きうれんす」は「キウレンス(九連子)」すなわち「キウレンクワン(九連環)」(チャイニーズリング)、「きゅうはきゅうれんす」は「キュウヤキュウレンクワン(九呀九連環)」、「さんしょならえ」は「シャンシュナアライ(双手拿来)」すなわち「両手で持って来る」、を日本語風に崩したものである。

江戸から明治にかけて、「かんかんのう」を唱っていた庶民の大半は、この元歌が中国伝来の歌であることは認識していたが、歌詞の意味は把握しておらず、一種のナンセンス・ソングとして、意味不明ながら語呂の響きを楽しんだ。

脚注

  1. ^ 暁鐘成「雲錦随筆」吉川弘文館(日本随筆大成 巻2)1927年(昭和2年)、94~95頁

参考論文・図書

  • 三田村鳶魚「かんかん踊」,『三田村鳶魚全集20』
  • 関鼎「中国旋律の日本化--九連環からかんかん踊りの歌へ」 『音楽芸術 Vol.43, No.3』(音楽之友社 1985/03) pp. p90~93
  • 浜一衛「唐人踊について」 『九州大学教養部文学研究会』(1956/01) (通号3)
  • 浅井忠夫『唐人唄と看々踊』(東亜研究會 1933)

関連項目

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「かんかんのう」の関連用語

1
看看兮 デジタル大辞泉
100% |||||

2
唐人歌 デジタル大辞泉
100% |||||

3
看看踊 デジタル大辞泉
100% |||||

4
58% |||||

5
36% |||||



8
8% |||||

9
8% |||||

10
8% |||||

かんかんのうのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



かんかんのうのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのかんかんのう (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS