因果的必然性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 17:52 UTC 版)
論理的必然性は上述のようなものであるのだが、因果的必然性というのは、原因-結果の間の必然的な関係である。石は陽の光があたれば暖かくなるが、だが石は暖まりはしないとしても論理的には矛盾があるわけではない。だが、論理的矛盾が起きるわけでもないのに、陽光は石を暖める。これが因果的必然性である。 ライプニッツは、命題の中でもこのような因果的必然性を示す命題を「総合命題」と分類した。 デイヴィッド・ヒュームは因果的必然性と見なされたものに懐疑の眼を向けた。ヒュームは、原因-結果の関係があると見なされていることは、2つの事象が一定の順序で繰り返し起きることを、ある者が観察することによって、その者に生じる 単なる主観的な印象であり、よって「因果的必然性」と呼ばれているものは、蓋然性にすぎない、とした。 18世紀には、ラプラスなどが、全ての出来事のあり方は一意だとする因果的決定論を主張し、こうした見方が広まったが、これは20世紀に物理学の領域で量子力学の発展とともに否定された。 一意性は否定される場合は、確率に何らかの傾向があったり定まっていても決定論には分類しないのが一般的であるが、これを確率が定まっている場合は「確率的決定論」と呼ぶことが無いわけではない。 因果的必然性は「自然必然性」と呼ばれることもある。
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