付臭
【英】: odorization
供給ガスに化学剤を混入し、漏洩を感知できる臭気を持たせること。 供給ガスが漏洩した場合、早期発見し事故防止を図るため、容易に感知できる臭気を有することが必要であり、ガス事業法によってガスの空気中の混合比率が 1,000 分の 1 で感知できるにおいがするものであることと規定されている。 付臭剤の条件としては (1) 毒性のないこと、(2) 一般に存在する臭いとは明瞭に識別されること、(3) 極めて低い濃度でも臭気が認められること、(4) 嗅覚疲労を起こしにくいこと、(5) ガス管やガスメーターに吸着されないこと、(6) 完全に燃焼し、有害なもしくは臭気を有する物質を残さないこと、(7) 導管内の通常の温度では凝縮しないこと、(8) 導管を腐食しないこと、(9) 水に溶けにくいこと、(10) 化学的に安定で、取り扱いが容易であること、(11) 土壌に対する透過性が大きいこと、(12) 価格が安く、入手が容易なこと、(13) 嗅気以外の簡易検知方法があることなどがあげられる。 初期のガス付臭ではさまざまな不飽和系炭化水素や硫黄化合物が使用されてきたが、現在使用されている付臭剤は主に TBM(ターシャリーブチルメルカプタン)、THT(テトラヒドロチオフェン)、DMS(ヂメチルサルファイド)等の有機硫黄化合物を単体もしくは混合したものが用いられている。製造ガスに付臭剤を混合させる方式には液体注入方式と蒸発式注入方式、液付臭方式の 3 つがある。 (1) 液体注入方式:これは付臭剤を液体のまま直接製造ガスに注入し、気化拡散させる方式で、ガス流量に応じて注入量を変化させるものである。 (2) 蒸発式注入方式:これは付臭剤を蒸発させてから製造ガスに注入する方式で、設備費が安く、動力を必要としない利点がある。 (3) 液付臭方式:LPG に直接付臭剤を注入するもので、液量調整等が不要で簡単な付臭方式である。 (高津 宏和、2006 年 3 月) |

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