H2受容体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 21:17 UTC 版)
「ヒスタミンH2受容体拮抗薬」も参照 H2受容体も他のヒスタミン受容体と同様に7回膜貫通型の受容体である。第3膜貫通ドメインに存在するAsp98のカルボキシル基がヒスタミンのエチルアミン基を水素結合により、第5膜貫通ドメインのAsp186とThr190がヒスタミンのイミダゾール環窒素に結合する水素を同様に水素結合で捕捉する。H2受容体はGsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼと共役しており、サイクリックAMP産生量の上昇やプロテインキナーゼAの活性化を引き起こす。 H2受容体へリガンドが結合することで胃酸の分泌が制御されており、胃壁細胞のプロトンポンプ(H+/K+ATPase)αサブユニットの発現が亢進するという報告もある。胃酸の分泌はヒスタミンの他にもアセチルコリンやガストリンにより制御されているが、H2受容体の拮抗薬はこれらすべての胃酸分泌機構を阻害し、消化性潰瘍の治療薬として臨床応用されている。他にも、H2受容体は気道や血管の平滑筋弛緩、サプレッサーT細胞の誘導による免疫細胞増殖抑制、好塩基球の遊走抑制などの作用を示すことが報告されている。
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