関数空間
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/02 14:34 UTC 版)
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関数空間(かんすうくうかん、function space、函数空間)とは、特定の空間上で、ある性質を持つ関数の全体を幾何学的な考察の対象として捉えたものである。
概要
関数空間はもとの空間の様々な性質を自然な形で内包しており、一定の条件を満たす空間であれば、その関数空間からもとの空間を「復元」することができる。通常、考察の対象となる関数は実数値関数や複素数値関数のように終域を共有するものである。関数の終域として、必要に応じて特定の体や環といった代数系をとることになるが、それにより関数空間にはベクトル空間や環上の加群の構造があらかじめ与えられていると考えることができる。もとの空間が代数的なものでなくても、関数空間へ移れば代数的な操作を利用した考察が可能となるということが、関数空間を考える動機のひとつである。つまり、関数空間の代数的な性質をもとの空間に還元してやることで、それまでには知られていなかった性質が発見されたり、逆にもとの空間の幾何学的な構造を関数空間に移して考えることで、ある種の代数系の性質が決定されることを知ったりするのである [注釈 1]。
また、関数空間には様々の位相が定義されて、位相空間を成す[注釈 2]。どのような位相が扱われるのかは議論の文脈により変わるが、代表的な例として以下のようなものが挙げられる。
- 各点収束位相
- X から Y への配置集合を、X を添字とする Y のコピーの直積空間と見なして導入される積位相。
- 一様収束位相(一様ノルム位相)
- 有界な関数空間において、上限ノルム(一様ノルム、supノルム)により誘導される距離位相。
- コンパクト開位相
- 局所コンパクト空間上の関数空間において、関数とその変数を同時に動かす際の連続性(随伴性)に関して自然に現れる位相。
関数空間上の関数空間といった概念も様々な形で現れる。例えば分布の理論は、関数空間上の関数空間として超関数全体の成す空間を規定するものであるし、また例えば微分形式は、多様体の各点における余接空間(接空間の双対空間であり、線型関数の空間とみなせる)への値割り当てとして局所的に記述され、大域的には余接束の切断として定義される。
歴史
関数空間の概念は、19世紀後半から20世紀初頭にかけての解析学の諸問題、とりわけ積分方程式論とスペクトル理論の発展の中で形成された。
汎関数の萌芽
ヴィト・ヴォルテラは曲線や関数に対応して値を定める「函数の函数」(後に汎関数と呼ばれる概念)を研究し、関数を無限次元空間の「点」とみなす発想の先駆けを示した[1]。 エリック・イヴァル・フレドホルムは線型積分方程式の一般理論を構築し、有限次元の線型方程式論との明示的な類比のもとで無限次元の問題を扱った[2]。
抽象化と公理化
モーリス・フレシェは1906年の学位論文において距離空間の概念を公理的に定式化し、連続関数の全体などの関数空間を抽象的な距離空間として統一的に捉える枠組みを提供した[3]。 ダフィット・ヒルベルトは1904年から1910年にかけて、二乗可積分な数列の全体(現在の ![]()
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