絶縁破壊
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/22 13:17 UTC 版)
絶縁破壊(ぜつえんはかい、英語: Electrical breakdown)とは、絶縁体に加わる電場の強さがある値を超えた時、電気抵抗が急激に低下し大電流が流れることをいう[1][2]。落雷は、雲と地面の間に大きな電位差がある時、その間にある空気に加わる電場の強さが、閾値(約300万V/m)を超え、絶縁破壊が発生することによって起こる[3][4][5][6]。
電線路やモーターなどの電気機器においては、短絡(ショート)を防ぐために導体間に一定の空間を確保したり、絶縁被覆を行う。しかし、雷サージや配線ミスなどにより、設計された耐電圧(絶縁耐力)を超える高い電圧が加わると、導体間に放電現象が起こって想定外の導通が起こる[3][2]。
MOS(金属-酸化物-半導体)半導体素子は非常に薄い酸化被膜を絶縁層とするが、この層は人体に帯電する程度の微弱な静電気でも容易に破壊されるため、開発当初はその取り扱いに注意を要した。その後、半導体素子内部に保護ダイオードを形成することで、電荷を逃がす構造へ改良が進み、日常的な静電気による電子回路の故障は低減している[7]。
絶縁破壊の2種類の型
絶縁破壊には2つの型があり、電気的絶縁破壊は絶縁物中の電子が電界により加速されて原子を衝突イオン化する事により起こる事が知られている[8]。もう一つの型は熱的絶縁破壊となり、ある温度を境にして破壊モードがかわる事が知られている[9]。プリント配線板の熱的絶縁破壊についは、電子素子の故障などによってプリント配線板が熱分解温度以上に加熱された場合に発生する事が、日産自動車の岸らにより示唆されている[10]。
出典
- ^ 第2版,日本大百科全書(ニッポニカ),世界大百科事典内言及, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,世界大百科事典. “絶縁破壊(ぜつえんはかい)とは”. コトバンク. 2020年7月25日閲覧。
- ^ a b 「JR東海:最新鋭新幹線「700系」の故障原因は絶縁破壊」『毎日新聞』毎日新聞社、1999年8月9日。オリジナルの2001年6月25日時点におけるアーカイブ。2025年12月22日閲覧。
- ^ a b “雷とは?”. 気象庁. 2025年7月25日閲覧。
- ^ 「西日本各地で落雷、大阪は8万9千世帯停電」『朝日新聞』朝日新聞社、2005年8月7日。オリジナルの2005年8月9日時点におけるアーカイブ。2025年6月12日閲覧。
- ^ 「激しい雷雨、帰省の足乱す 落雷による火災も」『朝日新聞』朝日新聞社、2006年8月12日。オリジナルの2006年8月13日時点におけるアーカイブ。2025年7月29日閲覧。
- ^ 「JR紀勢線、雷雨による遮断機故障は21カ所 三重」『朝日新聞』朝日新聞社、2006年8月29日。オリジナルの2006年9月2日時点におけるアーカイブ。2025年7月29日閲覧。
- ^ “PVDF薄膜を用いたモノリシック焦電型イメージセンサ” (PDF). 日本赤外線学会. 2025年12月22日閲覧。
- ^ A von Hippel:Zeits. f. Physik 75, 145 (1932)
- ^ 神谷 健児, 松山 英太郎:個体絶縁物の絶縁破壊理論, 山口大学工学部学報 9巻1号
- ^ 岸 文人, 成田 隼翼, 大頭 歩, 堀川 敦:プリント配線板における熱的絶縁破壊現象の調査, 第39回エレクトロ二クス実装学会春季講演大会予稿集 11A1-2(2025)
関連項目
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