You Only Live Onceとは? わかりやすく解説

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YOLO

(You Only Live Once から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/17 03:51 UTC 版)

YOLO」(ヨロ)は、「人生は一度きり」を意味する英語の語句「you only live once」を短縮した頭字語2012年カナダラッパーであるドレイクがリリースしたヒット・シングル「The Motto」をきっかけとして、広く用いられるインターネットスラングとなった[1]。この言葉は、今この瞬間を最大限に活かすべきであり、その後に起きるかもしれないことを心配し過ぎるな、といった見解を表明するものである[2]

出現

オックスフォード大学出版会によると、この語句や、そのような感覚は、何十年も前から存在していたといい、遅くとも1996年には、グレイトフル・デッドドラマーだったミッキー・ハート英語版と、彼の妻キャリル・オーバック (Caryl Orbach) が、自分たちの持つ牧場の名に用いていたとされ、「(彼らの)当時の考えを丸ごと ([their] whole mindset at the time)」表したものだったという[3]

テレビのリアリティ番組シリーズ『Average Joe』の参加者であったアダム・メッシュ英語版は、2000年代はじめに、「YOLO」ブランドの服や装身具を制作し、販売していた[4]

2012年には、この語句はグラフィティに描かれたり[5][6][7][8]Twitterハッシュタグとして広まり[9]悪戯[10][11]タトゥーのネタとなり[12]、音楽、テレビ番組、商品類などにも用いられた[13]

この頭字語を広めたのは、カナダラッパーであるドレイクで、彼はアメリカ合衆国のラッパーであるリック・ロスとともにミックステープを共作した「YOLO」と題された曲のリリースを計画していた[14]。このミックステープの宣伝のため、「YOLO」という語句は、2011年11月29日にリリースされた「The Motto」をはじめ、彼らの様々なトラックに、目立つ形で盛り込まれ、テープの販売促進が目指された。こうした語句の使用が、目立った形の広く共有された口語表現へと、この言葉を昇華させていったと言われている[15]2012年の遅い時期には、ドレイクは「YOLO」という表現の使用にロイヤルティーが欲しいという願望を表明し、これは、この表現や、彼の曲の歌詞を書き込んだ商品類が数多く生み出され、ウォルグリーンズメイシーズといった小売店などでも広く扱われるようになっていたためであったが、いずれにせよ、彼がこの言葉について商標権をもっているわけではなかった[13][16]

ヒップホップの専門雑誌『Da South』が報じたところによると、ラッパーのレクレーは、2012年の曲「No Regrets」の中で、「YOLO」という表現の脱構築をやってのけたのだという[17]

2014年1月19日に放映された『サタデー・ナイト・ライブ』の番組冒頭のモノローグにおいて、ドレイクはこの表現のポップ・カルチャーへの取り込みについて、謝罪し、この問題がここまで大きくなるとは思っていなかった、と述べた[18]

大衆文化の中で

フロリダ州フォートローダーデールのとあるレストランが、フローズンヨーグルト事業を起こすにあたって、「YOLO」という語句を商標登録にしようとした[16]2010年のこうした動きを経て、2012年には商標登録がなされたが、その後2018年には登録は撤回された[19]

アメリカ合衆国のコメディ・トリオであるザ・ロンリー・アイランドは、2013年に「YOLO」という曲を、アダム・レヴィーンケンドリック・ラマーの参加を得て、この言葉自体や、ライフスタイルを表すミームとしてこの言葉を扱う人々のことをパロディー化した。いくつかの国々では、「YOLO」がチャートに登場し、『Billboard Hot 100』でも最高60位まで浮上した[20]

2021年1月に起きたGameStopのショートスクイズの際には、Redditの「WallStreetBets」のメンバーたちは、空売りするヘッジファンドに対抗する、彼らの成功しそうもない賭けのことを、しばしば「YOLO」という表現で宣伝した[21]

反応

ワシントン・ポスト』や『ハフィントン・ポスト』を含め、オンライン・メディアは「YOLO」を、2012年における「あなたがきっと嫌いたくなる最新の頭字語 (newest acronym you'll love to hate)」とし[22]、「まぬけ (dumb)」[23]だと評した。この言葉は、向こう見ずな行為との関連で使用され、批判されたが、特に注目されたのは、時速120マイル(時速190キロ)での飲酒運転が原因で亡くなる直前に、ラッパー志望のアービン・マッキネス (Ervin McKinness) がツイッター投じた「酔って120のドリフトコーナーを走る #FuckIt YOLO (Drunk af going 120 drifting corners #FuckIt YOLO.)」というツイートだった[24]

韓国における普及

2020年代大韓民国においては、結婚して家庭を築くことを「非現実的なゴール」と捉え、そのために苦労するより、自分の好きなことにお金を使い、「人生は一度きりだから、今を思いっきり楽しもう」といった意識で贅沢品などの消費に走る若い世代の傾向が目立つようになっており、「YOLO」ないし「욜로(ヨロ、ヨーロー)」をキーワードとして、「YOLO世代」、「YOLO派[25]、「YOLO族」などの表現が用いられている[26][27]

脚注

  1. ^ Roberts, Soraya (2011年12月16日). “Zac Efron Adopts Drake's 'YOLO' Motto, as Does Souljaboy”. Yahoo! OMG! CA. 2012年11月8日閲覧。
  2. ^ Wiktionary”. 2025年2月19日閲覧。
  3. ^ An Oral History of YOLO, the Word That Lived Too Long”. Vanity Fair (2013年2月5日). 2015年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月28日閲覧。
  4. ^ Bereznak, Alyssa (5 February 2013). “An Oral History of YOLO, the Word That Lived Too Long” (英語). Vanity Fair. https://www.vanityfair.com/culture/2013/02/oral-history-yolo-mickey-hart 2021年2月23日閲覧。. 
  5. ^ Swanson, Mirjam (2012年5月18日). “Track and Field: Mitchells making most of it”. Press-Enterprise. オリジナルの2013年10月29日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131029201159/http://www.pe.com/sports/high-school/hsg-schools/hsg-headlines/20120518-track-and-field-mitchells-making-most-of-it.ece 2012年10月10日閲覧。 
  6. ^ Dye, Kevin. “Class of 2012 calls it a year”. The Madison Press. 2012年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月3日閲覧。
  7. ^ Express-Times File Photo (2012年5月29日). “Clinton Police: Two Men Spray-Paint Profanity, 'YOLO' on Town Structures”. Lehigh Valley. 2012年10月10日閲覧。
  8. ^ Middle School Boys Accused of Spray-Painting Homes, Destroying Water Fountain”. 10tv.com (2012年5月31日). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年10月10日閲覧。
  9. ^ Parents, Students: Hoffman Estates School Overreacted To Senior Prank”. CBS Chicago (2012年6月1日). 2012年10月10日閲覧。
  10. ^ Wright, Sharon (2012年6月1日). “Student Arrested Following Conant High School Senior Prank”. NBC Chicago. 2012年10月10日閲覧。
  11. ^ Students Lose Prom, Graduation Privileges After Senior Prank”. DailyHerald.com (2012年1月6日). 2012年10月10日閲覧。
  12. ^ Zac Efron Tat-Tat-Tatted Up!” (2011年12月16日). 2015年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月2日閲覧。
  13. ^ a b Diep, Eric (2012年12月5日). “Drake Wants Royalties for "YOLO"”. XXL Magazine. 2013年3月3日閲覧。
  14. ^ Drake Won't Name Rick Ross Mixtape "YOLO," Calls Phrase "Epidemic"”. Fuse (2012年6月12日). 2012年11月8日閲覧。
  15. ^ Roberts, Soraya (2011年12月16日). “Zac Efron Adopts Drake's 'YOLO' Motto, as Does Souljaboy”. Yahoo! OMG! CA. 2012年11月8日閲覧。
  16. ^ a b Burns, Ashley (2013年1月6日). “We Have Some Bad News For Drake Regarding The YOLO Wars”. Uproxx.com. 2013年3月3日閲覧。
  17. ^ Hill, Kellus (2012年5月14日). “Lecrae - Church Clothes: DaSouth.com”. Da South. 2013年5月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年7月10日閲覧。
  18. ^ Hosted by Drake, SNL. “Drake's SNL Intro”. Gossip Cop. 2014年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月28日閲覧。
  19. ^ YOLO”. USPTO.report. 2020年1月9日閲覧。
  20. ^ YOLO (feat. Adam Levine & Kendrick Lamar) – Single”. iTunes (2013年1月27日). 2014年12月31日閲覧。
  21. ^ Pellejero, Sebastian; Quiroz-Gutierrez, Marco (2021年1月26日). “MARKETS BlackBerry, AMC and Other Reddit YOLO Favorites That Aren't GameStop”. The Wall Street Journal. https://www.wsj.com/articles/blackberry-amc-and-other-reddit-yolo-favorites-that-arent-gamestop-11611681716 2021年1月28日閲覧。 
  22. ^ Judkis, Maura (2012年4月6日). “#YOLO: The Newest Acronym You'll Love to Hate”. Washington Post Style Blog. 2012年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年10月10日閲覧。
  23. ^ Walsh, Megan (2012年5月17日). “YOLO: The Evolution of the Acronym”. Huffington Post (The Black Sheep Online). http://www.huffingtonpost.com/the-black-sheep-online/yolo-the-meaning-and-evolution_b_1524721.html 
  24. ^ Lupkin, Sydney (2012年12月21日). “Young Adults Tweet #YOLO When They Don't Study, Get Drunk or Drive Too Fast”. ABC News. https://abcnews.go.com/Health/young-adults-tweet-yolo-live-engaged-reckless-behavior/story?id=18027279 2012年12月29日閲覧。 
  25. ^ マイカ・マッカートニー「「将来の心配より今が大事」── 開き直った韓国YOLO世代の絶望と豪胆 South Korea's 'YOLO' Generation Isn't Helping Falling Birthrate」『ニューズウィーク日本版』CCCメディアハウス、2024年8月29日。2025年2月20日閲覧
  26. ^ LEE Dakyum「最近、シングル男女に一生のパートナーを探す結婚条件として、スペックと同じくらいライフスタイルが重要であることが確認された。」『毎日経済』매경닷컴、2024年1月18日。2025年2月20日閲覧
  27. ^ Lee Seungyeon「ヨロ(YOLO)族に続き、ヨノ(YONO、You Only Need One)族という新しい人類が登場した。...」『毎日経済』매경닷컴、2024年8月19日。2025年2月20日閲覧



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