The DAO事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 16:04 UTC 版)
The DAOはEthereumの仕組みを利用して、ブロックチェーン上で決めたルールに従い、資金を集めて投票し、利益が上がれば投資者に配分するというシステムである。投資者はイーサとDAOトークンを交換する事で資金を提供し、投票にDAOトークンを利用するものであった。 2016年4月5日から4月30日にかけて、DAOトークンのクラウドセールを開催し、当時のイーサの総流通量の14パーセント(当時150億米ドル)を調達した。 2016年6月17日、The DAOのスマートコントラクトのバグを悪用し、約360万ETH(当時5000万米ドル)が未知のハッカーによって盗まれ、その後Robin Hoot Group(RHG)と名乗る集団がおよそ720万ETHの確保とコミュニティへの返還を発表した。 6月17日から7月20日までの28日間はDAOトークンとETHが交換できない仕組みだったので、その間に開発者は解決策を見つける事を考えた。 6月28日にはThe DAOに投資された全てのイーサの残高を新しい払い戻し用のスマートコントラクトに移動させ、元の所有者が払い戻しできるようにするハードフォークを提案した。 7月15日、イーサリアムの開発チームはクライアントを作成し、クライアントがデフォルト設定でハードフォークするのかしないのかの投票を開始し、デフォルト設定ではハードフォークする事に決まった。こうしてThe DAO事件が起きる前のハッカーによる不正送金が起こる前の状態に戻った。 しかし、ハードフォークに反対するコミュニティが古いクライアントソフトウェアを実行し続けた事でEthereum Classicが誕生し、2つのイーサリアムネットワークが誕生した。
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