TRF受信機の欠点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/23 16:35 UTC 版)
「高周波同調受信機」の記事における「TRF受信機の欠点」の解説
TRF受信機には、以下に挙げる3つの欠点がある。 1つ目の欠点は、入力周波数の範囲が広いとき、ある中心周波数に同調させたときの帯域幅が一定でない点である。この現象を skin effect という。高周波では、電流は導体の表面付近を流れる。したがって周波数が高いほど有効範囲が小さくなり、抵抗が大きくなる。するとタンク回路のQ値(Q=XL/R)は周波数が変化しても一定を保つことになり、結果として帯域幅 (f/Q) が周波数と共に大きくなる。結果として、周波数によってフィルタ回路の選択性能が変化する。したがって受信周波数帯の低い方で帯域幅を調整すると、高い周波数では混信状態になる可能性がある。 2つ目の欠点は、複数のRF増幅回路を同じ中心周波数に同調させなければならないため、安定性が悪い点である。高周波での多段増幅は発振しやすい。これを防ぐには、各増幅回路を微妙に異なる周波数(中心周波数の少し上や少し下)に同調させる。この技法をstagger tuningと呼ぶ。 3つ目の欠点は、周波数帯域が広いと、周波数によって利得が一定しない点である。これはRF増幅器のLC回路のL/C比が一様でないためである。
※この「TRF受信機の欠点」の解説は、「高周波同調受信機」の解説の一部です。
「TRF受信機の欠点」を含む「高周波同調受信機」の記事については、「高周波同調受信機」の概要を参照ください。
- TRF受信機の欠点のページへのリンク