SWAN彗星 (C/2002 O6)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/21 20:57 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動スワン彗星 C/2002 O6 (SWAN) | |
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仮符号・別名 | C/2002 O6; SOHO-497 |
分類 | 彗星 |
軌道の種類 | 長周期彗星 |
発見 | |
発見日 | 2002年7月25日UT |
発見者 | 鈴木雅之 |
軌道要素と性質 元期:2002年8月10.0日TT | |
近日点距離 (q) | 0.49464 au |
離心率 (e) | 0.99857 |
軌道傾斜角 (i) | 58.62 ° |
近日点引数 (ω) | 78.74 ° |
昇交点黄経 (Ω) | 330.95 ° |
前回近日点通過 | 2002年9月9.44日TT |
物理的性質 | |
絶対等級 (H) | H1(10)=9.5等級 |
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スワン彗星(すわんすいせい、Comet SWAN、C/2002 O6)は、2002年に人工衛星が撮影した画像から発見された彗星のひとつ。
発見
2002年7月31日(JST)、栃木県宇都宮市のアマチュア天文家鈴木雅之は、太陽観測衛星SOHOに搭載されたSWANカメラ(太陽風観測カメラ)が撮影した同年7月25日と27日(UT)の画像から移動天体を発見した。それ以前の画像にも写っていたことから、9等級の新彗星としてその存在を天文電報中央局に報告した。
SWANの画像は位置が荒いことから確認は難航したが、アメリカ・ニューメキシコ州の彗星観測家アラン・ヘールによって9.5等級で眼視確認された[1]。
エピソード
SWAN画像からの新彗星の発見はこの以前に2個(C/1997 K5、C/2000 S5)[2]あったが、いずれも約2年前の過去画像からの発見で、リアルタイムの発見は初めてであった。鈴木はC/2000 S5の発見を知り、独自に位置を算出できるソフトウェアを作成した。間もなくして当時出現していたヘーニッヒ彗星 (C/2002 O4)を確認する際に新彗星に気づいた。
当時、太陽近傍を撮影したSOHOのLASCO画像からの彗星発見は約500個あったが、全天を撮影したSWAN画像上から発見された彗星が地上で確認された前例がなく、彗星の名称決定までに2週間以上要した[3]。「SWAN」名が付けられた初めての彗星であった。
この彗星の発見後「コメットハンター」たちは、LASCO画像だけでなくSWAN画像からの彗星発見も目指すようになった。
出現
SWAN画像からは、発見前イメージが2002年7月16日、18日、20日UTから検出されている。地上からは、前述の通り8月1日(UT)にエリダヌス座で確認観測された後、8月中旬には東の低空で尾を伴う5~6等級の彗星に成長し、オリオン座、ふたご座、やまねこ座を移動する様子が観測された。
近日点通過は同年9月9日であったが、8月下旬以降は拡散して急減光し、位置観測は8月31日まで、観測自体も9月下旬を最後に途絶えた。
出典・脚注
参考文献
- 『月刊天文ガイド』2002年10月号 誠文堂新光社
- 『月刊天文ガイド』2003年3月号 誠文堂新光社
- 『天文年鑑2004』 誠文堂新光社
- えびなみつる『コメットハンティング 新彗星発見に挑む』誠文堂新光社、2011年、94-105頁。ISBN 978-4416211076。
関連項目
外部リンク
- C/2002 O6 (SWAN) 発見事情 (詳細版) - archive.today(2013年6月30日アーカイブ分) Suzuki's Astro Page(発見者の手記)
- SWAN Far Side Imaging More SWAN imagesのリンク先から発見画像を閲覧できる。
- JPL Small-Body Database Browser C/2002 O6 (SWAN)
- スワン彗星 C/2002 O6 ( SWAN ) 吉田誠一のホームページ
- SWAN彗星_(C/2002_O6)のページへのリンク