SWAN画像からの彗星発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/28 06:24 UTC 版)
「鈴木雅之 (天文家)」の記事における「SWAN画像からの彗星発見」の解説
太陽観測衛星SOHOが撮影しリアルタイムでウェブ上に公開されている画像には彗星が写っていることがあり、地上からは未発見のものも多く含まれていた。特に地上からは観測困難な太陽近傍を撮影するカメラ「LASCO」からは2002年時点で500個ほどのサングレーザーと呼ばれるクロイツ群の彗星がウェブ上に更新される画像を監視するアマチュアによって発見されており、それらはまとめてSOHO彗星と呼ばれていた。一方でSOHOにはSWAN(太陽風異方性検出装置 Solar Wind Anisotropies; SWAN)という太陽風の観測カメラも搭載されており、水素の出すライマン・アルファ線(紫外線)の波長でほぼ全天を観測していた。彗星は水分子が豊富なためライマンアルファ線を発すためこのカメラに写ることが分かっており、SWANの過去の画像を解析し2個の彗星(C/1997 K5、C/2000 S5)を見つけた例があった。鈴木はSWAN画像から独自に位置を算出できるソフトウェアを作成し、2002年7月31日に当時出現していたヘーニッヒ彗星 (C/2002 O4)を確認しようと画像を捜索したところ、7月25日と27日の画像に9等級の別の彗星が写っていることに気づいた。こうして発見された彗星はC/2002 O6 SWAN彗星と命名された。 その後は世界中のアマチュアがLASCOだけでなくSWANからも彗星を探すようになり、鈴木も2005年8月に福島県須賀川市の佐藤裕久とともにC/2005 P3 SWAN彗星を発見している。 これらの功績で日本天文学会より2003年に天体発見賞を、2006年には天体発見功労賞を贈られている。
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