STAP細胞における多能性の検証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 23:52 UTC 版)
「刺激惹起性多能性獲得細胞」の記事における「STAP細胞における多能性の検証」の解説
次に、小保方らは、生きた細胞を長時間培養しながら顕微鏡で観察するライブイメージング法(英語版)で7日間にわたって解析を行った。その結果、得られる未分化の細胞は、分化したリンパ球が初期化されたものであり、試料に含まれていた未分化の細胞が酸処理を経て選択されたものではないことを示唆した。遺伝子解析(英語版)を実施してOct4陽性細胞を検証した結果、Oct4陽性細胞のT細胞受容体遺伝子に、リンパ球T細胞が分化した時に生じる特徴的な遺伝子再構成であるTCR再構成が検出された。このことから、Oct4陽性細胞は、T細胞に一度分化したリンパ球由来の細胞を酸性溶液処理で初期化して得られたものであり、Muse細胞のような既存の多能性幹細胞が酸性溶液処理によって選択されたものではないことを検証した。また、このOct4陽性細胞は、Oct4以外にも多能性細胞に特有のSox2、 SSEA1、Nanogといった遺伝子マーカーを発現していた。さらにOct4陽性細胞は3胚葉組織への分化能を持っていた。その後、小保方らは、脳・皮膚・骨格筋・脂肪組織・骨髄・肺・肝臓・心筋などの組織の細胞についても同様に処理し、いずれの組織の細胞からもSTAP細胞が産生されることを確認した。
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