半単純リー環のルート系とは? わかりやすく解説

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半単純リー環のルート系

(Root system of a semi-simple Lie algebra から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/22 08:13 UTC 版)

数学において,被約抽象ルート系半単純リー環の間には1対1の対応がある.ここで半単純リー環のルート系の構成,そして逆に,被約抽象ルート系からの半単純リー環の構成,が示される.

付随するルート系

g を複素半単純リー環とする.さらに hgカルタン部分環とする.このとき hg随伴表現において同時対角化可能線型写像として作用する.h* の元 λ に対して,部分空間 gλg

で定義する.h* の零でない λ がルートであるとは,部分空間 gλ が自明でないことをいう.このとき gλλ のルート空間と呼ばれる.カルタン部分環の定義により g0 = h が保証される.各ルート空間 gλ は1次元であることを示すことができる[1]R をすべてのルートの集合とする.h の元は同時対角化可能であるから,次が成り立つ:

カルタン部分環 hg 上のキリング形式から内積を引き継ぐ.これは h* 上の内積を誘導する.この内積について R は被約抽象ルート系であることを示すことができる[2]

付随する半単純リー環

Eユークリッド空間とし,RE の被約抽象ルート系とする.さらに Δ単純ルートたちのある選択とする.次の生成元と関係式で複素リー環を定義する.生成元:

シュバレー・セール関係式英語版

(ここで (λ, μ) で表されている係数はカルタン行列の係数で置き換えられなけるべきである.)生成されるリー環は半単純でありそのルート系は与えられた R に同型であることが分かる.

応用

同型により,半単純リー環の分類は被約抽象ルート系を分類するいくぶん簡単な仕事に帰着される.

脚注

  1. ^ Hall 2015, Theorem 7.23.
  2. ^ Hall 2015, Theorem 7.30.

参考文献

この記事は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示-継承 3.0 非移植のもと提供されているオンライン数学辞典『PlanetMath』の項目Root system underlying a semi-simple Lie algebraの本文を含む

  • Hall, Brian C. (2015), Lie Groups, Lie Algebras, and Representations: An Elementary Introduction, Graduate Texts in Mathematics, 222 (2nd ed.), Springer 
  • V.S. Varadarajan, Lie groups, Lie algebras, and their representations, GTM, Springer 1984.

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