パドヴァのポルテッロ門
(Porta Portello から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/12 19:31 UTC 版)
| イタリア語: Porta Portello, Padova 英語: The Porta Portello, Padua |
|
| 作者 | カナレット |
|---|---|
| 製作年 | 1741-1742年ごろ |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 62 cm × 109 cm (24 in × 43 in) |
| 所蔵 | ナショナル・ギャラリー、ワシントンD.C. |
| スペイン語: Porta Portello en Padua 英語: Porta Portello, Padua |
|
| 作者 | カナレット |
|---|---|
| 製作年 | 1760年ごろ |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 62.8 cm × 109.2 cm (24.7 in × 43.0 in) |
| 所蔵 | ティッセン=ボルネミッサ美術館、マドリード |
『パドヴァのポルテッロ門』(パドヴァのポルテッロもん、伊: Porta Portello, Padova、西: Porta Portello en Padua、英: Porta Portello,Padua)は、18世紀イタリアの画家カナレットがキャンバス上に油彩で描いた風景画で、2点のやや異なるヴァージョンが知られている。1741-1742年ごろに制作されたワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵の作品 (サミュエル・ヘンリー・クレスのコレクションから1961年に寄贈) [1][2]と、1760年ごろに制作されたマドリードのティッセン=ボルネミッサ美術館蔵の作品 (カルメン・ティッセン=ボルネミッサから寄託) [3]である。
作品
カナレットとその甥ベルナルド・ベッロットが確立した地誌学的風景画「ヴェドゥータ」(都市景観画) は、18世紀ヨーロッパ各地で広く好まれた。寸分狂いのない線遠近法と明瞭な明暗効果の中に捉えられたヴェネツィアなどの都市風景の広がりは、時代精神と共鳴するところがあったと思われれる[4]。
カナレットとベッロットは、1740年ないし1741年にヴェネツィアからブレンタ運河沿い (カナレットの絵画『ブレンタ運河沿いのドーロの眺め』[5]を参照) にパドヴァに旅行した[2][3]。その成果の1つが本作『パドヴァのポルテッロ門』であると考えられる[2]。画面中央にある白い建物がポルテッロ門で、東のヴェネツィアからやってきた旅行者にとってパドヴァの入り口にあたるものであった。この門は古代ローマの凱旋門を模したもので、1518 - 1519年にグリエルモ・デ・グリージによって設計された。パドヴァへの7つの入り口の1つであり、「オンニサンティ門」とも呼ばれた[2][3]。
カナレットの絵画に表されている様々な建物の中で、画家の創作でないと仮定すれば[3]、運河右側の列柱のある建物など最も重要なものは特定化されていない。一方、遠景に見えるサンタ・マリア・デル・カルミネ教会やその鐘楼は現存する。しかし、カナレットはそもそも、パドヴァのこの地域を正確には再現していない。たとえば、前景にある壁は想像上のものであり、実際のポルテッロ橋は2本ではなく、3本の橋脚を持っているのである[2][3]。
『パドヴァのポルテッロ門』の2点のヴァージョンは、前述のカナレットとベッロットの旅行にもとづき1740年代初頭に描かれたとされる。カナレットは旅行の際に素描を制作しており、その中にはポルテッロ門を描いたもの (ウィーンのアルベルティーナやニューヨークのメトロポリタン美術館などの所蔵) も含まれている[3]。しかし、2点の絵画は明らかにそれらの素描にもとづいているだけでなく、アトリエで構成されている[2][3]。そのため制作年を決定することは難しく、パドヴァ旅行の20年後に制作されたとも提唱されている。ティッセン=ボルネミッサ美術館では、作品の制作年を1760年ごろとしている[3]。
2点の『パドヴァのポルテッロ門』のヴァージョンには、人物の配置や舟の位置など若干の相違点が見て取れる[2]。しかし、全体に暗い色調、明るい大気を共有している[3]。
脚注
- ^ “The Porta Portello, Padua”. ワシントン・ナショナル・ギャラリー公式サイト (英語). 2026年2月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g 『ワシントン・ナショナル・ギャラリー展』、2009年、160頁。
- ^ a b c d e f g h i “Porta Portello, Padua”. ティッセン=ボルネミッサ美術館公式サイト (英語). 2026年2月25日閲覧。
- ^ 『NHK ベルリン美術館1 ヨーロッパ美術の精華』、1993年、110頁。
- ^ “A View of Dolo on the Brenta Canal”. Art UK公式サイト (英語). 2026年2月24日閲覧。
参考文献
- 『ワシントン・ナショナル・ギャラリー展』、読売新聞社、京都市美術館、東京都美術館、1999年刊行
- 有川治男・重延浩・高草茂編集『NHK ベルリン美術館1 ヨーロッパ美術の精華』、角川書店、1993年刊行 ISBN 4-04-650901-5
外部リンク
- パドヴァのポルテッロ門のページへのリンク