MicromucorあるいはUmbelopsisについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/20 22:57 UTC 版)
「クサレケカビ」の記事における「MicromucorあるいはUmbelopsisについて」の解説
クサレケカビ属に長らく含まれながら、異質性を度々指摘されていたのが、Isabellina節に含められたものである。この類は、胞子のう柄の基部にある細胞が仮軸状に分枝し、そこから真っすぐな胞子のう柄を伸ばすのが特徴である。丸い胞子嚢をつけ、柱軸がほとんど発達しない点ではクサレケカビ属の特徴と一致するものの、培地上では気中菌糸を形成せず、培地上に密なコロニーを作り、一面に胞子嚢を出し、往々にして赤などの濃い色になる点、種によっては胞子のうに柱軸をわずかに形成するなど、多くの点で一般的なクサレケカビ属の種とは異質である。独立させてMicromucor属とし、ケカビ科に移すという提案もあった。 ところが、ここにUmbelopsisという不完全菌として記載された属がある。根元で仮軸状に分枝した細胞から分生子柄が伸び、その先端に丸い単細胞の分生子をつけるというものである。これについては単胞子の胞子嚢をつけた接合菌ではないかとの説もあったが、これを接合菌と見なして多胞子の胞子のうをつける種がこの属のもとで1980年代に記載されたことから、明らかに接合菌と見なされるようになった。そうして改めて見直すと、この菌の形態は件のMicromucorに近いものである。このことから、この両者の間に混乱が生じている。 2000年以降ではMicromucorをウンベロプシス (Umbelopsis)に含める提案がなされている。さらに、これをウンベロプシス科として独立させる説も浮上している。
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