MariaDBとは? わかりやすく解説

MariaDB

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/20 03:38 UTC 版)

MariaDB
開発元
初版 2009年10月29日 (15年前) (2009-10-29)[1]
最新版 11.7.2[2]  - 2025年2月13日 (2か月前) [±]
最新評価版 10.3.5[3]  - 25 February 2018; 25 February 2019; 7 April 2019; 21 May 2019; 12 May 2020; 18 June 2021; 12 February 2022; 22 August 2022; 17 November 2022; 22 February 2023; 21 November 2023; 20 February 2024; 30 May 2024; 14 August 2024; 22 November 2024 [±]
リポジトリ
プログラミング
言語
C, C++, Perl, Bash, Python, SQL[4]
対応OS Linux, Windows[5]
種別 RDBMS
ライセンス

GPL バージョン2[6], LGPL for clients

BSL for MaxScale
公式サイト mariadb.com
テンプレートを表示
The LAMP software bundle (here additionally with Squid). A high performance and high-availability solution for a hostile environment

MariaDBは、MySQL派生として開発されている、オープンソース関係データベース管理システム (RDBMS) である。

概要

MariaDBの開発は、MySQLのオリジナルコードの作者でMySQL ABの創設者でもあるミカエル・ウィデニウスにより、現在オラクルによって所有されているMySQLをフォークして立ち上げられたプロジェクトにより行われている[7]。配布ライセンスは、GNU General Public Licenseのバージョン2[6]。MariaDBの名は、ウィデニウスの2番目の娘の名前から採られている[8]

バージョン5.1から5.5までは、同じバージョン番号のMySQLの非商用版を一部改良した形でリリースしていた[9]。2013年2月にMySQLは大規模なリファクタリングを加えたMySQL5.6の正式(プロダクション)版をリリースしたが[10][11]、MariaDBはMySQL5.5をベースにMySQL5.6から新機能の選択的な追加とMariaDB独自の機能追加を実施するという方針変更を行い、2014年3月31日に新たにバージョン番号を10に変更したバージョンをリリースした[12][11]

2018年5月にリリースされたバージョン10.3では、Oracle Databaseからの移行を支援するOracle Database互換機能が実装された。[13]

2018年9月に分散型MySQL互換データベースのClustrix英語版をMariaDB Corporationが買収した。[14]

2019年2月26日に有償顧客向けに MariaDB Enterprise Server を提供することが発表された。[15]

ストレージエンジン(データベースエンジン)

MariaDBは、原則としてMySQLとほぼ同じデータベースエンジン(ストレージエンジン)に対応している。対応するデータベースエンジン[16]は次の通り。

  • Aria - MyISAM派生エンジン(以前の名称はMaria[17])
  • BLACKHOLE
  • InnoDB
  • Memory
  • Mroonga - 高速な日本語全文検索機能を提供するストレージエンジン。
  • MyRocks - RocksDBをストレージエンジン化したもの。10.3 GA からGAとなった。
  • Spider - 自動シャーディングを実現するエンジン。MariaDB 10.0.4よりバンドル[18]。10.3 GA からGAとなった。
  • MariaDB ColumnStore - 列指向ストレージエンジン。InfiniDBをフォークしたものをベースとしている。

データベース接続クライアント

MariaDBは、互換性によりMySQLのために設計されたデータベース接続クライアントを利用できる。主な例は以下の通り。MariaDBと互換性のあるクライアント・ソフトウェアはGraphical and Enhanced Clientsに記載されている。

  • HeidiSQL英語版
  • DBEdit 2英語版 — オープンソースのデータベース接続クライアント
  • Navicat for MariaDB — プロプライエタリなデータベース接続クライアント[19]

使用状況

英語版ウィキペディアおよびドイツ語版ウィキペディアでは使用されているデータベースがFacebook版MySQLからMariaDBへと切り替えられた[20]

またArch Linux[21]Fedora (Fedora 19以降)[22]openSUSE (openSUSE 12.3以降)[23]Slackware[24]Red Hat Enterprise Linux(7以降)[25]とそのクローンであるCentOSDebian(Debian 9以降)[26]などのLinuxディストリビューションで、MySQLをMariaDBへと置き換えた。

GoogleはMariaDB財団に開発者を派遣し、MySQLからMariaDBに切り替えられた。[27]

脚注

  1. ^ MariaDB 5.1.38 Release Notes”. MariaDB KnowledgeBase. 2019年1月14日閲覧。
  2. ^ "Release 11.7.2"; 閲覧日: 2025年2月25日; 出版日: 2025年2月13日.
  3. ^ https://mariadb.com/kb/en/library/mariadb-1035-release-notes/. 2018年2月27日閲覧 {{cite web}}: |title=は必須です。 (説明)
  4. ^ MariaDB's JIRA Instance” (英語). JIRA. Atlassian (2018年). 2018年11月23日閲覧。
  5. ^ Download MariaDB” (英語). MariaDB Corporation (2018年). 2018年11月23日閲覧。
  6. ^ a b MariaDB License”. AskMonty KnowledgeBase. Monty Program Ab (2010年). 2010年11月4日閲覧。
  7. ^ 末岡洋子 (2010年1月19日). “MySQLのオリジナル開発者、MySQL 5.1からフォークした「MariaDB 5.1」RC版をリリース”. SourceForge.JP Magazine. OSDN Corporation. 2010年11月4日閲覧。
  8. ^ “MySQLを飛び出た人たちの再会と合体: SkySQLがMariaDBと合併して後者に一本化”. TechCrunch Japan. (2013年4月24日). http://jp.techcrunch.com/2013/04/24/20130423skysql-merges-with-mariadb-to-solidify-its-open-source-database-position/ 2013年4月24日閲覧。 
  9. ^ Akihiro Sugeno (2014年4月21日). “MySQLとMariaDBの比較”. Atlassian Confluence 5.7.4, Team Collaboration Software. 2015年8月21日閲覧。
  10. ^ “「MySQL 5.6」リリース、NoSQL対応を強化”. ITmedia. (2013年2月6日). http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1302/06/news095.html/ 2015年8月21日閲覧。  {{cite news}}: |date=の日付が不正です。 (説明)
  11. ^ a b MariaDBの安定版 Ver. 10.0がリリース”. マインドテック llaboration Software (2014年4月15日). 2015年8月21日閲覧。
  12. ^ 後藤大地 (2014年4月2日). “「MySQL 5.6」リリース、NoSQL対応を強化”. マイナビ. https://news.mynavi.jp/techplus/article/20140402-a111/ 2015年8月21日閲覧。  {{cite news}}: |date=の日付が不正です。 (説明)
  13. ^ MariaDB Server 10.3/MariaDB TX 3.0リリース。Oracle Database互換機能を搭載し、同じデータ型やPL/SQLのストアドプロシジャをサポート”. 2018年7月7日閲覧。
  14. ^ MySQL互換の分散データベース「Clustrix」、MariaDBが買収”. 2018年10月10日閲覧。
  15. ^ MariaDB、企業向けの「MariaDB Enterprise Server」を発表”. 2019年2月26日閲覧。
  16. ^ MariaDB versus MySQL”. AskMonty KnowledgeBase. Monty Program Ab (2010年). 2010年11月4日閲覧。
  17. ^ Aria (before known as Maria)”. AskMonty KnowledgeBase. Monty Program Ab (2010年). 2010年11月4日閲覧。
  18. ^ http://www.publickey1.jp/blog/13/spidermariadb.html
  19. ^ Navicat for MariaDB 機能一覧. PremiumSoft CyberTech Ltd
  20. ^ Wikipedia、MariaDBを採用
  21. ^ https://www.archlinux.org/news/mariadb-replaces-mysql-in-repositories/ Arch Linux News - 25 March 2013 MariaDB replaces MySQL in repositories
  22. ^ openSUSEに続きFedoraが「MySQL」と決別へ
  23. ^ openSUSEに続きFedoraが「MySQL」と決別へ
  24. ^ Slackware News - 23 March 2013 ''Slackware switching to the MariaDB database''”. Slackware.com. 2013年4月16日閲覧。
  25. ^ Red Hat ditches MySQL, switches to MariaDB”. ITWire.com (2013年6月14日). 2013年6月17日閲覧。
  26. ^ https://mariadb.com/kb/en/mariadb/moving-from-mysql-to-mariadb-in-debian-9/
  27. ^ Google swaps out MySQL, moves to MariaDB - The Register 12th September 2013

関連項目

外部リンク


MariaDB

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/24 07:43 UTC 版)

ERP5」の記事における「MariaDB」の解説

ZODBには検索機能集計機能がない。これを補うために、オープンソース関係データベース管理システムであるMariaDBを使っている。ZODB保存され情報はただちに自動的に検索集計必要な部分だけ抽出されてMariaDBに保存されるZODB保存されデータをMariaDBで検索するときに必要になるクエリーERP5検索機能自動的に生成するため、ERP5開発者最適化行いたい場合除いてSQL文を書く必要はない。

※この「MariaDB」の解説は、「ERP5」の解説の一部です。
「MariaDB」を含む「ERP5」の記事については、「ERP5」の概要を参照ください。

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