アンドレア・ドーリア (戦艦・2代)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アンドレア・ドーリア (戦艦・2代)の意味・解説 

アンドレア・ドーリア (戦艦・2代)

(Italian battleship Andrea Doria から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/11 08:15 UTC 版)

アンドレア・ドーリア 、またはアンドレア・ドリア[1][2] (Andrea Doria) は[3]イタリア王立海軍 (Regia Marina) が保有し[注釈 1]第一次世界大戦第二次世界大戦で運用した弩級戦艦[5]カイオ・ドゥイリオ級戦艦の2番艦だが、本艦をネームシップとして[1]アンドレア・ドリア級戦艦とする複数の資料がある[6][7][注釈 2]。 艦名は16世紀のジェノヴァ共和国の提督アンドレア・ドーリアに由来する[9][注釈 3]。 姉妹艦はカイオ・ドゥイリオ (Caio Duilio) [10][注釈 4]


注釈

  1. ^ 【伊太利】[4] 戰艦アンドレア・ドリア(一九一四年五月竣工)正規排水量二二九三〇噸、時速二三節。同年竣工のデュリオと同級たり。他の戰艦カヴール及びギュリオ・セザーレと同様式を以て排水量二二五〇〇噸となすべき筈の處豫定の噸數を超過するに至つた。
  2. ^ 姉妹艦カイオ・デュリオ (Caio Duilio) をドリア級2番艦とする文献もある[8]
  3. ^ 初代「アンドレア・ドリア」は、ルッジェーロ・ディ・ラウリア級戦艦アンドレア・ドリア英語版イタリア語版であった。
  4. ^ 戰艦 “ドリア Doria[11] 全要目{排水量21,555噸 速力22節 備砲30糎砲13門、15糎砲16門 魚雷發射管(45糎水中)2門 起工1912年3月 竣工1915年5月 建造所 スペチア造船所} 同型艦“デュイリオ Duilio”21,555噸 建造中のもの2隻“ヴイトリオ・ヴエネト Vittorio Venedo” “リツトリオ Littorio”(2隻共35,000噸) 二三年前までは“アンドレア・ドリア”と言つてゐたが、最近は短く“ドリア”と呼んでゐる。主砲は30糎3聯装三基 2聯装二基で其配置は艦型圖に見られる通りである。外に14ポンド砲13門、14ポンド高角砲6門をもつてゐる。戰艦としては舊型のものと言へようが最近其兵装に根本的改造を加へた。伊國戰艦勢力としては他に“カヴール Cavour”及び“ケーザル Cesare”21,818噸があるが、これも目下舊型の面影ない程にスペチア海軍工廠で改装中であつて、これは前檣樓カタパルトなど列國海軍の戰艦型式に從つてゐるらしい。現有勢力は以上の4隻86,532噸である。
  5. ^ アルゼンチン海軍アメリカ合衆国に発注して建造した弩級戦艦[14]
  6. ^ 戰艦 “チエーザレ Cesre[21] 全要目{排水量25,000噸 速力27節 備砲32糎砲10門、10糎砲24門(兩用砲ならん)建造1911年度目下改装中} 伊太利戰艦を論ずるにあたつては、まづこのところ四年越しで建造中の35,000噸戰艦ヴイトリオ・ヴヱネト Vittorio Venedo” “リトリオ Littorio”の二艦を忘却してはなるまい。このやうな大艦の建造に伊國海軍がまだ慣れてゐないのも、建造が遅れてゐる一つの理由かも知れないが、佛國の同級の戰艦に對抗し、益々その愼重さを加へてゐると考へるのが至當ではなからうか。現在持つてゐる戰艦中には殆ど見るべきものがないが、その中にあつて獨りチヱーザレのみは大々的改装をほどこされ、寫眞に見るやうな姿となつてやがて再現せんとしてゐる。その艦型は“ネルソン”“ダンケルク”を聯想させるものがある。主砲は口徑を増して32糎砲となり、高角砲も10糎四聯装である。從つて排水量も増加し21,818噸から2,500噸増したが、舊に倍する機關によつて速力22節を出すともいはれてゐる。完成後の大體の要目は全長169.8米、幅28.04米、平均吃水8.54米。速力も恐らく27節位出る機關を据えるのではないかといふ噂である。伊國戰艦計6隻(内未成2隻)。
  7. ^ 伊太利[23] 一九三四-四〇年度海軍豫算中七億リラの其の後の増加があり、總計二十七億三百萬リラとなる。之はリットリオ級の新三五,〇〇〇噸級戰艦四隻を含み、一九四一年迄に伊太利艦隊をば言明したる通り總計七〇〇,〇〇〇噸の勢力に引上げんとする企圖に從ふものである。
     戰艦 三五,〇〇〇噸級のリットリオ及ヴィツトリオは完成し、前者の寫眞は爰に掲載(畧)せる通りである。兩艦の特性中主砲八糎砲九門、契約速力三〇節が含まれるが、一九三九年十月の公試に依れば此の速力を超過したと言はれ二る。兩艦は一九三四年十月起工以來、建造に要せし期間は五箇年少しく餘であつた。然し此の級の第三艦及び第四艦の行程は比較的急速なる進捗を示し、イムペロは去る十一月十五日ゼノアのセストリ・ボネンテに於けるアンサルド造船所により造船臺にあること僅か十八箇月の後進水した。/ 本年は舊型戰艦アンドレア・ドリア及カイオ・デュイリオの改装が完了する筈であり、之はコンテ・デイ・カヴール及ギウリオ・セザールの改装と同様の方針で進捗しつゝあるものである。(以下略)
  8. ^ イタリア戦艦3隻(リットリオ、カヴール、デュリオ)が被雷して着底した[28][29]。姉妹艦カイオ・デュリオは1941年(昭和16年)5月まで戦列を離れた[30][31]
  9. ^ 11月27日のスパルティヴェント岬沖海戦に参加したイタリア戦艦は2隻(ヴェネトチェザーレ)で[34]、本艦は参加していない。
  10. ^ なおドイツ空軍 (Luftwaffe) のJu 87急降下爆撃機により、地中海艦隊の装甲空母イラストリアス (HMS Illustrious, R87) が大破し[36]軽巡1隻も沈没した[37]
  11. ^ タラント空襲で損傷した姉妹艦デゥリオが同港で修理中だったが、被害を免れている[39]
  12. ^ H部隊に対するUボート作戦で、主力艦2隻(バーラムアーク・ロイヤル)沈没[41][42]、イギリス地中海艦隊に対するアレクサンドリア港奇襲[43]
  13. ^ 11月中旬のデュースブルク船団の戦い[44]、12月中旬のボン岬沖海戦など[45][46]
  14. ^ 海外特殊情報 第百六十三號 昭和一八、九、一六(木) 情報局情報課/◎伊艦隊マルタに逃亡[49] ロイター=アルジエー十一日發/北伊反樞軸軍司令部は十一日正午「戰艦四隻、巡洋艦七隻、驅逐艦六隻からなるイタリア艦隊がマルタ島へ到着した」旨發表した。更にラ・ヴアレツタ(マルタ島)来電によれば十日ラ・ヴアレツタ港に到着したイタリア艦隊はスベチア及びタラントから逃亡して來たものといはれ戰艦四隻のうちにはヴイクトリオ・ヴエネト號(三,五〇〇〇噸) アンドレア・ドリア號(二,三六二二噸) ギウリオ・チヱサーレテ(二、三六二二噸) が含まれ、他の一隻の名稱は判明しない。又巡洋艦七隻のうちにはルイギ・カルドナ號(五,〇〇八噸) 、ボンベオ・マグノ號(判読不明)が含まれてゐる様である。逃亡戰艦及び巡洋艦の性能次の通り
    (ヴェネト略)一、アンドレア・ドリア號(ギウリオ・チヱザーレ號も同)一九一三年竣工(ツヱザーレ號は一九一一年)の老朽艦でその後改修され乗組員は千百九十八名、十二.六吋砲十門、七吋砲十二門、三.九吋高角砲八門を有してゐる。(ルイギ・カルドナ、ボンベオ・マグノ略) 尚イタリア艦隊は公海で聯合軍艦隊に投降し後者の誘導によつてマルタ其他の港に入つたものである。戰艦一隻は九日午後サルデニア附近でドイツ空軍撃沈された。
    BBC=ラ・ヴアレツタ(マルタ島)十二日發 十一日午後四時三十分イタリア艦隊司令長官はラ・ヴアレツタに上陸しイタリア艦隊を正式に引渡した。イタリア艦隊司令長官は聯合軍地中海艦隊司令長官カニンガム提督と約一時間會談した。會談後カニンガムはイタリア艦隊降伏の結果聯合軍は多くの艦艇を對日戰に差向けることが出來るであらうと言明した。(以下略)

脚注

  1. ^ a b 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 77アンドレアレリア級/アンドレア・ドリア
  2. ^ マッキンタイヤー、空母 1985, p. 70.
  3. ^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 138aANDREA DORIA 戦艦「アンドレア・ドリア」/建造から40年を生き抜いた伊海軍最後の戦艦
  4. ^ 世界海軍大写真帖 1935, p. 52(戰艦ドリア及びデュイリオの圖解)
  5. ^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 136戦艦コンテ・ディ・カブール/戦艦アンドレア・ドリア
  6. ^ a b 世界の戦艦、弩級戦艦編 1999, p. 159aアンドレア・ドリア ANDREA DORIA
  7. ^ 三野、地中海の戦い 1993, p. 49イタリア海軍の戦力と艦種の説明●戦艦 コンテ・ディ・カブール級(23,000トン)2隻/アンドレア・ドリア級(23,000トン)2隻/ビットリオ・ベネト級(41,000トン)3隻
  8. ^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 9イタリア戦艦カイオ・デュリオ(改カヴール級のド級戦艦ドリア級の2番艦)
  9. ^ a b Gardiner & Gray, p. 260
  10. ^ a b ジョーダン、戦艦 1988, pp. 82–85イタリア/カイオ・デュイリオ級
  11. ^ ポケット海軍年鑑 1935, p. 168(原本318-319頁)戰艦ドリア
  12. ^ a b c ジョーダン、戦艦 1988, pp. 78–81イタリア/コンテ・ディ・カヴール級
  13. ^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, pp. 150–151米国建造のアルゼンチン弩級戦艦「リバダビア」
  14. ^ ジョーダン、戦艦 1988, pp. 16–17アルゼンチン/リバダビア級
  15. ^ a b 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 79.
  16. ^ 世界の戦艦、弩級戦艦編 1999, p. 159bフランチェスコ・カラッチョロ FRANCESCO CARACCIOLO
  17. ^ a b Whitley, p. 167
  18. ^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 139戦艦「リットリオ」LITTORIO/イタリア海軍が建造・計画した最後の大艦巨砲
  19. ^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 143戦艦「ダンケルク」DUNKERQUE
  20. ^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 146戦艦「リシュリュー」RICHELIEU
  21. ^ ポケット海軍年鑑 1937, p. 143(原本268-269頁)戰艦チヱーザレ
  22. ^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 138b戦艦「コンテ・ディ・カブール」CONTE DI CAVOUR/徹底した改装工事で生まれ変わった弩級戦艦
  23. ^ ブラッセー海軍年鑑 1940, p. 27原本38頁
  24. ^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, pp. 80–81.
  25. ^ 三野、地中海の戦い 1993, pp. 18–25参戦前の状況
  26. ^ 世界の戦艦、大艦巨砲編 1998, p. 138c.
  27. ^ 三野、地中海の戦い 1993, pp. 82–85タラント夜襲
  28. ^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 86川井哲夫「伊海軍の本拠タラント空襲」
  29. ^ ヨーロッパ列強戦史 2004, p. 121タラント軍港攻撃要図
  30. ^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 88.
  31. ^ 三野、地中海の戦い 1993, pp. 242–247タラント港奇襲
  32. ^ a b c d e Whitley, p. 168
  33. ^ Rohwer, p. 27
  34. ^ マッキンタイヤー、空母 1985, pp. 76–77.
  35. ^ Rohwer, p. 51
  36. ^ マッキンタイヤー、空母 1985, pp. 82–85袋だたきの英ッ空母
  37. ^ 三野、地中海の戦い 1993, p. 97.
  38. ^ The Italian Navy in World War II, pp.66-67
  39. ^ a b c d e f 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 173.
  40. ^ 三野、地中海の戦い 1993, pp. 130–131イギリス海軍悪夢の二ヵ月間
  41. ^ マッキンタイヤー、空母 1985, p. 94.
  42. ^ 三野、地中海の戦い 1993, pp. 125–128思わぬ敵 ― ドイツUボート
  43. ^ 三野、地中海の戦い 1993, pp. 128–130思わぬ敵 ― イタリア人間魚雷
  44. ^ 三野、地中海の戦い 1993, pp. 120–122K部隊の栄光
  45. ^ 三野、地中海の戦い 1993, pp. 71–72.
  46. ^ 三野、地中海の戦い 1993, pp. 282–284四、ボン岬沖の夜戦/一九四一年十二月十三日
  47. ^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 64木俣滋郎「英船団撃沈のチャンスを逃した伊戦艦」
  48. ^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 174.
  49. ^ 伊艦隊マルタに逃亡(国立公文書館)」 アジア歴史資料センター Ref.A03025350900  pp.1-2
  50. ^ 丸、写真集世界の戦艦 1977, p. 89.


「アンドレア・ドーリア (戦艦・2代)」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アンドレア・ドーリア (戦艦・2代)」の関連用語

アンドレア・ドーリア (戦艦・2代)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アンドレア・ドーリア (戦艦・2代)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアンドレア・ドーリア (戦艦・2代) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS