GRiD Compassとは? わかりやすく解説

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Grid Compass

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/30 05:37 UTC 版)

Grid Compass
スペースシャトルディスカバリー機内で、Grid Compassを使用している宇宙飛行士John Creighton。1985年のSTS-51-Gミッションにて。
開発元 ビル・モグリッジ[1]
製造元 Grid
種別 ポータブルコンピュータ、ノート型ラップトップコンピュータ
発売日 1982年4月 (1982-04)
標準価格 US$8150[1]
OS CCOS (Compass Computer Operating System)、オプションでMS-DOS 2
CPU Intel 8086
メモリ 340 KB 磁気バブルメモリ[2]
ディスプレイ 6インチ 320 × 240 ELアクティブマトリックス
外部接続 19-pin "serial", Telephone line+Audio 1,200 bit/s モデム, GPIB[2]
電源 60W
サイズ W292 x D381 x H50 mm
重量 5kg
次世代ハード Grid GridCase 3
Grid Compass 1101

GRiD Compass(グリッド・コンパス)は、1982年に発売された世界初の折りたたみ型ラップトップコンピュータノートPCの原型)である[3][4]。製造企業はカリフォルニア州にかつて存在したグリッド・システムズ 英語版である。

設計

クラムシェル英語版型のケース(スクリーンと本体がヒンジで接続されており、折りたたんで開け閉めできる)をデザインとして採用した世界初のコンピュータである。ボディはマグネシウム合金で覆われている。プロセッサIntel 8086を採用し、ディスプレイ320 × 240-pixelエレクトロルミネセンス方式、メモリは340キロバイト磁気バブル方式、そしてモデムは1,200 bpsのものを搭載していた。ハードディスクドライブフロッピードライブなどの外部デバイスはIEEE-488 I/O(GPIB or General Purpose Instrumentation Busとも呼ばれる)を介して接続することができた。この入出力機構によって、複数のデバイスをアドレスバスへ接続することができた。重量は5 kg(11 lb)で、電源入力はAC 110 V/220 V 47 – 66 Hz、消費電力75 Wであった。

グリッド・コンパスは独自OSであるGRiD-OSを搭載していた。そのOS上で動作するように作られた一般向けのソフトウェアは多くなく、また価格も高額であった (US$8,000–$10,000) ため、専門分野での使用に限られていた。主なユーザーはアメリカ合衆国政府であった。NASAは1980年代初頭のスペースシャトルのミッションで使用した。これは、機体が軽量でコンパクトかつ、パワフルなプロセッサを搭載していたためである。アメリカ陸軍特殊部隊群もグリッド・コンパスを購入していた組織であり、空挺兵によって戦闘時に使用されていた。

グリッド・コンパスに続いて、翌年の1983年にGavilan SC英語版シャープ PC-5000英語版が登場した。後のノートパソコンの基本的なデザインは、このグリッド・コンパスによって確立されたと言える。この折りたたみ形状のノートPCが一般的になっていったことで、GRiD Systems Corporationは多くの特許収入を得た。また、この会社は世界初の市販タブレットコンピュータであるGRiDPadも1989年に発売している。

製造

最初のモデルである1101モデルは1982年に発売された。1100モデルはマーケティング用としてのみ存在した[5]。このコンピュータはイギリスのインダストリアルデザイナーであるビル・モグリッジによってデザインされた。

その製造は1979年に始まり、その三年後になってようやく発売された[6]

競合

ポータブルコンピュータOsborne 1はグリッド・コンパスと同時期に発売された。折りたたみ式ほどコンパクトではなかったものの、より低価格であり、またOSも当時人気のあったCP/Mであったため、グリッドコンパスよりも多く売れた。

脚注

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