ESS理論とは? わかりやすく解説

ESS理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 22:40 UTC 版)

社会生物学」の記事における「ESS理論」の解説

1973年イギリス生物学者ジョン・メイナード=スミスは、この血縁淘汰説ゲーム理論導入したESS理論(ESS = Evolutionarily Stable Strategy進化的に安定な戦略)を発表した。これは社会行動のように、ある行動形質利益が他の個体行動他の形質によって決まり唯一の最適解ない場合適用できる例えば、働きバチの例に当てはめてみる。外敵襲われたとき自身の針により攻撃加え行動(ハチ自身にとっての)利他的行動を行うハチは、もし攻撃失敗し外敵排除失敗した場合自身死に自分属す女王バチ生存確率も減るので大きな不利益得点される。また仮に攻撃成功し外敵排除成功すれば自身は死ぬが女王バチ生存確率は高まるので、ある程度利益得点される。また攻撃しないで他の働きバチ捨て身攻撃を行う戦略採用したハチ場合、他のハチによる攻撃により外敵排除され場合自身生き残り女王バチ生存確率が高まるので最大利益得点される。しかし他のハチ反撃失敗した場合自身生き残りには成功するが、女王バチ生存確率低下するのでわずかな利益得点される。 つまりESS理論によれば利己的行動選択する個体増えて集団不利益発生し、また利他的行動選択する個体増えても、自身不利益による集団内での損耗発生するため、利己的行動を取る個体利他的行動を取る個体安定するという。 また社会集団形成している生物(人間も含む)では、各個体は無意識のうちにこれらの利益マトリックスのっとり自身利己的行動利他的行動を取るかを選択していると論じている。 結局のところ、各個体の利己的行動利他的行動も、その個体属する群の利益ではなく個々遺伝子にとっての利己的行動であり、個体遺伝子反映してそれぞれの戦略取った結果、その種全体行動運命)が決まってゆくわけである。

※この「ESS理論」の解説は、「社会生物学」の解説の一部です。
「ESS理論」を含む「社会生物学」の記事については、「社会生物学」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ESS理論」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


このページでは「ウィキペディア小見出し辞書」からESS理論を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からESS理論を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からESS理論 を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ESS理論」の関連用語

ESS理論のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ESS理論のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの社会生物学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS