ESG投資との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 07:36 UTC 版)
「社会的責任投資」の記事における「ESG投資との比較」の解説
ESG(ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))投資とSRI投資には多数の類似点があり、ほぼ同種のものとして扱われている。 経済的リターンという側面だけではなく、倫理的な面に配慮した投資という点で、環境・社会・ガバナンスを意識したESG投資とSRI投資は類似している。上述のようにSRI投資が日本に導入されたのは1999年であるのに対し、日本でESGが明確に意識されるようになったのは2015年と比較的新しく、当初倫理的側面を強く前面に押し出したSRI投資が特殊な投資手法であると受け止められたのに対し、ESG投資は倫理的側面を意識しつつも最優先するのは経済的リターンだと考えられた。しかし、近年では両者はどちらも倫理的側面と経済的側面を同時に追求できるものと理解されるようになり、ほぼ同義のものとして扱われるようになった。 ただし、ESG投資を含めたアクティブ運用の投資収益率が株価指数連動投資を上回ることは元々難しい。ESGを重視して投資収益率が下がることを「ESGのパフォーマンス・トレードオフ」と呼ぶ。特に、多くの人の老後生活を支える年金資産の運用において投資パフォーマンスは重要である。アメリカ合衆国労働省は、ESG投資の偏重を戒める通知を度々出しており、2020年6月には年金基金の安易なESG投資に対する規制案を公表した。
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