E環の修飾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/14 22:13 UTC 版)
E環の構造的変化の多くはカンプトテシン活性を失わせる。有効な置換として考えられるのは、ヒドロキシ基を塩素(Cl)、フッ素(F)、臭素(Br)のいずれかと置換するというものである。というのもこれらの分極率(polarizability)はいずれも酵素複合体を安定化させるのに十分だからである。 他の可能性のある修飾は、E環のヒドロキシ基とラクトンとの間にメチレン基を挿入するというもので、これによって7員環β-ヒドロキシラクトン基ができる。これはいわゆるホモカンプトテシン(homocamptothecin、hCPT)と呼ばれるものである。ホモカンプトテシンのヒドロキシ基はラクトンを非常に活性化させるカルボキシ基の誘電効果を低減させる。これはトポIに最適な遊離状態のヒドロキシ基と、その存在によってより安定化する共有結合複合体との間の相互作用を促進する。 ホモカンプトテシンのE環はよりゆっくりと開き、その開裂反応は不可逆的である。ホモカンプトテシンはヒトの血漿での安定性がカンプトテシンよりも向上する。なぜならタンパク質結合が減少し、赤血球への親和性が増すからである。
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