CP対称性の破れ:小林・益川理論
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「標準模型の歴史」の記事における「CP対称性の破れ:小林・益川理論」の解説
小林誠および益川敏英は、もしクォークが3世代(6種類)以上存在し、クォークの質量項として世代間の混合を許すもっとも一般的なものを考えるならば、既にK中間子の崩壊の観測で確認されていたCP対称性の破れを理論的に説明できることを示した。 クォークの質量項に表れる世代間の混合を表す行列はカビボ・小林・益川行列(CKM行列)と呼ばれる。2世代の行列理論をニコラ・カビボが1963年に提唱し、3世代混合の理論を1973年に小林・益川の両者が提唱した。 発表当時クォークはアップ、ダウン、ストレンジの3種類しか見つかっていなかったが、その後、1995年までに残りの3種類(チャーム、ボトム、トップ)の存在が実験で確認された。 現在KEKのBelle実験およびSLACのBaBar実験で、この理論の精密な検証が行われている。 これらの実験により小林・益川理論の正しさが確かめられ、2008年、小林、益川両名にノーベル物理学賞が贈られた。
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