CD‐1
CD1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/25 02:34 UTC 版)
CD1は種々の抗原提示細胞の表面に発現している糖タンパク質、細胞表面抗原の1つである。この分子は1型の主要組織適合抗原 (MHC-1) と深く関連し、T細胞への脂質抗原の提示に関わる。しかしながら、詳しい機能は知られていない[1]。
分類
CD1は脂質固着における違いにより、大きく2つのグループに分類できる[2]。
- CD1a、CD1b、CD1c(グループ1 CD1分子)は抗原提示細胞に特異的に発現している[3]。
- CD1d(グループ2 CD1分子)は普遍的に様々な細胞、組織に発現している。
CD1eは中間型であり、細胞内に発現しているが、役割は不確かである[4]。
ヒトのCD1
グループ1
このグループのCD1分子は外来性の脂質(特に抗酸菌の細胞壁など)をCD1特異的T細胞に提示することが示されている。
グループ2
CD1dの自然抗原ははっきりとした特徴を持たないが、海綿から発見された混合物より単離された合成糖脂質であるαガラクトシルセラミドが強い活性を持つ。
CD1dはCD161などのナチュラルキラー細胞マーカーを持つためにナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)と名付けられたT細胞の一群を活性化する。NKT細胞はCD1dにより提示される抗原により活性化し、それぞれIFN-γ、IL-4に代表されるTh1系、及びTh2系のサイトカインを迅速に産生する。
診断との関連
CD1分子は胸腺皮質の細胞で発現が見られるが、成熟したT細胞はCD1を発現していない。このことはこれらの細胞を起源とする腫瘍細胞でもいえるため、免疫組織化学的診断においてCD1分子の発現を、胸腺細胞やT細胞の前駆細胞に由来する腫瘍の同定に応用することができる。特にCD1aはランゲルハンス細胞の特異的マーカーであり、それ故にランゲルハンス細胞組織球症の診断に用いることができる。また、骨髄性白血病や一部のB細胞リンパ腫でもCD1分子が陽性になりうる[5]。
ウシ及びマウスのCD1
マウスはグループ1のCD1分子を欠き、代わりに2コピーのCD1dを持つ。このため、マウスは様々な疾患モデルにおけるCD1dとCD1d依存性NKT細胞の役割を調べるために利用されている。
最近の研究でウシがグループ2のCD1を欠き、グループ2 CD1のタイプがヒトより多いことがわかった[6]。この発見と、ウシがウシ型結核菌(Mycobacterium bovis、ヒトにも感染しうる)の自然宿主であることから、ウシでの研究がグループ1 CD1分子の抗原提示に関する知見を得ることにつながると期待されている。
脚注
- ^ Porcelli S, Brenner MB, Greenstein JL, Balk SP, Terhorst C, Bleicher PA (1989). “Recognition of cluster of differentiation 1 antigens by human CD4-CD8-cytolytic T lymphocytes”. Nature 341 (6241): 447–50. doi:10.1038/341447a0. PMID 2477705.
- ^ Zajonc DM, Wilson IA (2007). “Architecture of CD1 proteins”. Curr. Top. Microbiol. Immunol. 314: 27–50. doi:10.1007/978-3-540-69511-0_2. PMID 17593656.
- ^ Sköld M, Behar SM (2005). “The role of group 1 and group 2 CD1-restricted T cells in microbial immunity”. Microbes Infect. 7 (3): 544–51. doi:10.1016/j.micinf.2004.12.012. PMID 15777730.
- ^ Angenieux C, Salamero J, Fricker D, Cazenave JP, Goud B, Hanau D, de La Salle H (2000). “Characterization of CD1e, a third type of CD1 molecule expressed in dendritic cells”. J. Biol. Chem. 275 (48): 37757–64. doi:10.1074/jbc.M007082200. PMID 10948205.
- ^ Kumarasen C, Anthony S-Y L (2003). Manual of diagnostic antibodies for immunohistology. London: Greenwich Medical Media. pp. 59–60. ISBN 1-84110-100-1
- ^ Van Rhijn I, Koets AP, Im JS, Piebes D, Reddington F, Besra GS, Porcelli SA, van Eden W, Rutten VP (2006). “The bovine CD1 family contains group 1 CD1 proteins, but no functional CD1d”. J. Immunol. 176 (8): 4888–93. PMID 16585584.
関連項目
CD-1
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「complete Best」の記事における「CD-1」の解説
このディスクのみ、オリジナルリリースのアルバムの曲順を踏襲しておらず、『day after tomorrow』、『day after tomorrow II』をそのまま並べただけの曲順ではなく、1stフルアルバム『elements』の初回盤Aに付属するCD「聴く特典」にextra tracksを追加した仕様となっている。 for you1stミニアルバム『day after tomorrow』収録曲。 Hello, everybody!2ndミニアルバム『day after tomorrow II』収録曲。 rosy girl2ndミニアルバム『day after tomorrow II』収録曲。 gift1stミニアルバム『day after tomorrow』収録曲。 futurity3rdシングル gradually1stミニアルバム『day after tomorrow』収録曲。 melody2ndミニアルバム『day after tomorrow II』収録曲。 after all...2ndミニアルバム『day after tomorrow II』収録曲。 prize1stミニアルバム『day after tomorrow』収録曲。 vivace1stミニアルバム『day after tomorrow』収録曲。 faraway1stシングル My faith2ndシングル Smartly (Extra Tracks) 5thシングル「DAY STAR」の3曲目。トリプルA面シングルとしてリリースされ、「CURRENT」、「イタズラなKISS」は2ndフルアルバム『primary colors』(本作のディスク3)に収録されたが、この楽曲のみオリジナルアルバムには収録されず、シングルのみの収録となっていた。このアルバムと、さらに同時発売された『single Best』によってアルバム初収録となった。 ネバーランド (Extra Tracks) 6thシングル「moon gate」の2曲目。前述の「Smartly」と同様にシングルのみの収録となっていたが、このアルバムと、さらに同時発売された『single Best』によってアルバム初収録となった。 Pride (Extra Tracks) 未発表曲。このアルバムと同時発売された『single Best』に収録されている。 映画『南極日誌』日本版イメージソング
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