バーレーンの真珠採取業
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バーレーンの真珠採取業(バーレーンのしんじゅさいしゅぎょう)は、一説には紀元前2000年頃にまで遡るとも言われるバーレーン古来の基幹的地場産業であった。石油発見以前のペルシア湾一帯は天然真珠の一大産地となっており、わけてもバーレーン近海の真珠は高品質と評価されていた。しかし、日本の真珠養殖業の発展や世界恐慌の影響によって壊滅的な打撃を受け、1930年代以降、急速に衰退していった。
注釈
- ^ 英語では oyster bed で、この熟語は真珠貝の養殖場の意味でも使われるが、この場合は天然の真珠貝の漁場のことである。「真珠床」は保坂 (2008) の表記によるもので、同じものについて池ノ上 (1987) は「漁場」ないし「真珠漁場」、ベルグレイヴ (2006) は「真珠棚」と表現している。
- ^ 1896年までの収益は「真珠産業の収入」、1930年以降は「収穫高」で、貨幣単位も一致していないが、出典のままの数字を提示する。
- ^ 1980年代初頭には、みやげ物として高価な天然真珠の装飾品が売られていたが(外務省中近東アフリカ局中近東第二課 (1984) p.148)、文献によってはペルシア湾岸での真珠採取がすでに行われなくなったとしているものもある(松月 (2002) pp.23, 58, 61)。
- ^ 試掘の開始は1931年のことで、油田が見付かったのが1932年5月である(牟田口 (1973) p.185)。
- ^ 中東協力センターがまとめたバハレーン王国の産業基盤(2005年改訂版) (PDF) には、産業としての真珠採取は、一言も登場しない。「真珠」という語は観光などの節で「真珠モニュメント」と「真珠博物館」の名前としてだけ出てくる。
- ^ 歴史の節で触れた良質な真珠の産地として古来知られていたスリランカの場合、漁期の間隔が10年以上開くこともあったという(保坂 (2008) p.15)。
- ^ 真珠貝を捨てることが次の真珠貝の栄養になるという伝統的な観念がトラブルを生んだことがある。20世紀初頭に、ドイツの業者がペルシア湾一帯に積極的に進出し、真珠貝の貝殻を大量に買い付けるようになったため、真珠を取り出した後の貝殻が捨てられずに持ち帰られるようになった。これに対して、地元民たちはそのせいで真珠の収穫量が減るようになったと主張したのである(実際には量は減っていなかったという)(保坂 (2008) pp.31-32)。
- ^ この公示では、採取の開始日もあわせて公示されるようになった。それ以前は慣例的に決まっていたという(保坂 (2010) p.1)。
- ^ この年の世界遺産委員会の議長国はバーレーンで、会議自体バーレーンで開催されることが決まっていたが、2011年バーレーン騒乱による混乱などを理由に、パリのユネスコ本部での開催に変更された(日本ユネスコ協会連盟 (2012) 『世界遺産年報2012』東京書籍、p.26)。
出典
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- ^ a b c ICOMOS (2012) p.19
- ^ Pearling, testimony of an island economy - Multiple Locations
- ^ a b ICOMOS (2012) p.24
- 1 バーレーンの真珠採取業とは
- 2 バーレーンの真珠採取業の概要
- 3 真珠の取引
- 4 世界遺産
- 5 脚注
- バーレーンの真珠採取業のページへのリンク