A2D (航空機)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > A2D (航空機)の意味・解説 

A2D (航空機)

(A2D スカイシャーク から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/23 07:27 UTC 版)

A2D スカイシャーク

飛行するA2D-1 125480号機
(1954年撮影)

A2D スカイシャークDouglas A2D Skyshark )は、アメリカ合衆国ダグラス社がアメリカ海軍向けに開発した艦上攻撃機。採用されたが、運用や量産は行われなかった。

愛称の「スカイシャーク (Skyshark)」は、空の鮫の意。

開発

A-1スカイレイダーの原型機XBT2D-1の初飛行後まもない1945年から開発が開始された。1947年9月25日には、XA2D-1として試作機の発注を受けた。試作機は2機製作され、1950年3月26日に初飛行した。尾翼などにA-1のものが流用されているが、エンジン換装などに伴い、胴体などは再設計されている。なお、エンジンはコックピット下に移されている。

性能はA-1と比較して、大幅な性能向上が認められたことから、A2D-1として採用され300機以上の発注が行われた。しかし、搭載しているアリソン社製XT-40ターボプロップエンジンは、ガスタービンを2基並列に設置し、一個の減速ギアボックスを介して連結し、一軸で二重反転プロペラを駆動するという複雑な構造であった。そのため、エンジンの信頼性が低く、振動や減速ギアの加熱問題が発生した。また、エンジンに起因して1950年12月に試作初号機が、1954年8月5日に生産2号機が墜落している。試作2号機では、エンジンの換装を行ったりしたが、海軍は1952年に開発をキャンセルし、新たにA4D スカイホーク ジェット攻撃機の開発をダグラス社に求めている。海軍からのキャンセル後も、エンジンの改良計画はしばらくの間、続けられたが、結局、実用には至らなかった。

生産機数は、試作型のXA2D-1が2機および生産型のA2D-1が10機である。

諸元

A2D-1 三面図
制式名称 XA2D-1 / A2D-1
全幅 15.24m
全長 12.58m
全高 3.68m
翼面積 37m2
翼面荷重 230kg/m2
自重 5,864kg
正規全備重量 8,500kg
最大離陸重量 10,436kg
発動機 アリソン XT-40-A-2 ターボプロップ(離昇5,100馬力)1基
最高速度 813km/h
上昇限度 14,664km
上昇力 5,000mまで2分15秒
航続距離 3,520km
武装 T3120mm機関砲 4門
爆装 2500kgまでの爆弾等を翼下10
胴体下1のハードポイントに搭載可能
生産数 12機

各型

XA2D-1
試作型。2機製造。
A2D-1
量産型。10機製造。

現存する機体

型名  番号 機体写真     所在地 所有者 公開状況 状態 備考
A2D-1 125485 アメリカ カリフォルニア州 サンディエゴ航空宇宙博物館[1]
ギレスピー・フィールド・アネックス[2]
公開 静態展示 [3]

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「A2D (航空機)」の関連用語

A2D (航空機)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



A2D (航空機)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのA2D (航空機) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS