3/4乗則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/14 14:33 UTC 版)
アロメトリーにはしばしば体重の2/3乗が発見されてきた。これは面積に比例するためと考えられる。しかしそのほとんどは、正確に測定すると3/4乗だった。3/4乗が現れる原理については、諸説あるが決定的な説はない。 標準代謝量は体重の3/4乗に比例して増加する。しかしこれは1乗には満たず、単位体重あたり標準代謝量は体重の1/4乗に反比例して減少する。これが減少するのは、代謝のための物質交換は面でなされるため、面積に比例してしか増加できないためである。これを補うため、大型の生物は、毛細血管・肺胞・腸の柔毛など、面積を体重の2/3乗より増やす構造を随所に持っている。心拍数や毎分の呼吸数も体重の1/4乗に反比例して減少する。また、生涯を通じた累計の代謝量はほぼ一定なので、寿命は体重の1/4乗に比例する。 脳の重さは、体重の3/4乗に比例する。このことから、脳の重さを体重の3/4乗で割れば、体の大きさの異なる動物同士で脳の大きさを比較することができる(かつて信じられていた2/3乗で割った値が脳化指数である)。ただしこの値は、その体重にふさわしい脳より大きいか小さいかを示しているにすぎず、知能とどれだけ関係しているかは定かではない。
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