3時間50分運航のため
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 13:11 UTC 版)
航海速力を従来の14.5ノットから18.2ノットに上げるには、約2倍のエンジン出力が必要で、これを従来船のように背の高い主軸直結低速ディーゼルエンジンで実現することは、機関室の天井の低い客載車両渡船では困難であった。このため、背の低い中速ディーゼルエンジン8台を搭載し、片舷4台ずつ、流体継手と1段減速歯車を介して各舷の主軸につなぐマルチプルエンジン方式を採用し、航海速力18.2ノットに必要なエンジン出力を確保した。これらの主軸につながる推進用プロペラには当時日本最大の可変ピッチプロペラ(Controllable Pitch Propeller CPP)を採用し、また舵の効かない低速時にも船首を回頭できる可変ピッチプロペラ式のバウスラスター (Bow Thruster BT)も装備し、これらを操舵室から遠隔操縦することで、港内での操船性能を著しく向上させ、離着岸に要する時間も短縮し、安定した3時間50分運航を実現した。さらに陸上設備改良による55分停泊もあり、従来の1日1隻2往復を2.5往復に増やし、稼働率向上に寄与した。
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