2度目の訪問
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 04:51 UTC 版)
「ダイラス=リーンの災厄」の記事における「2度目の訪問」の解説
いつしかダイラス=リーンの街では黒人奴隷が足りなくなる。補充が追い付かなくなり、また数少ない奴隷たちもガレー船の噂を聞いて逃げ出す。そのうちに、商人たちから贈り物として「巨大なルビー」が街に持ち込まれ、大広場の台石の上に据え付けられる。しかしこのルビーは、夜になると怪光を発し、住人たちの眠気を誘発する。また神隠しが頻発し、正気を保っていた者たちは街を出て行く。リタも夫や子供たちと共に街の外に移住した。かくしてダイラス=リーンは、商人たちが浮かれ騒ぐのみの沈黙の街に変わる。 私が再びダイラス=リーンの地を訪れたのは30歳のときである。街にいる商人たちの人数が激増しており、浮かれ騒ぐ彼らのターバンがほどけて、角のような隆起が露出して見える。また現実と夢では時間の流れが異なっており、再会したポ=カレトは30歳以上も老けていた。ポ=カレトは、街が変わってしまった経緯を説明する。 私は巨大ルビーを見てみようと思い立ち、大広場に赴く。海岸通りの一帯は、異様で邪悪な商人どもで沸き返っている。ルビーは炬火に囲まれ、商人たちが警備していた。私は姿を見られ、逃げると彼らは追ってくる。私は街に留まることをあきらめ、街の外に出る。住む人もいない砂漠地帯を、ウルサルの方角を目指して進むが、やつらは追跡してくる。疾駆する私は、悲鳴を上げながら目を覚まし、魔物どもが夢の住人にすぎないことを理解して安堵する。数日もすると、ダイラス=リーンを訪れた記憶はあらかた忘れ去っていた。
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