1電子結合と3電子結合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 02:56 UTC 版)
1あるいは3電子を持つ結合はラジカル種において見ることができる。1電子結合の最も単純な例は、水素分子イオン(H2+)において見られる。1電子結合はしばしば2電子結合のおよそ半分の結合エネルギーを持ち、したがって「半結合」と呼ばれる。しかしながら、例外も存在する。二リチウムの場合は、2電子結合のLi2よりも1電子結合のLi2+ の方が実際に結合は強い。この例外は混成と内殻効果の観点から説明することができる。 3電子結合の最も単純な例は、ヘリウム二量体カチオン(He2+)において見ることができる。これは(2つではなく)1つの共有電子のみからなるため「半結合」と考えられる。分子軌道の観点では、3つ目の電子は反結合性軌道中にあり、その他2つの電子によって形成された結合の半分を打ち消している。3電子結合を含む分子のもう一つの例 は一酸化窒素(NO)である 。酸素分子(O2)も2つの3電子結合と1つの2電子結合を有していると見なすことができる。これが酸素原子の常磁性と2の形式結合次数の主要な原因である。二酸化塩素とその類似物質二酸化臭素と二酸化ヨウ素も3電子結合を含む。 奇数電子結合を持つ分子は大抵反応性が高い。これらの種類の結合は似た電気陰性度を持つ原子間でのみ安定である。
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