龍擡頭の行事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 00:32 UTC 版)
龍擡頭の行事が始まったのは元の頃だと言われている。古くは農業が最も重要な産業であり、春の始まりとされた旧暦2月2日はその年の豊作を願う祝日となって、主に漢民族の間で伝統的に祝われてきた。しかしこんにちでは、農業従事者が減ったこともあり、特に都市部では龍擡頭の行事は廃れつつあるという。 龍擡頭の日、中国北部では、春餅などに「龍(竜)」の字の入った名前をつけ、竜の気を取り入れることを願って食す。たとえば春餅は「龍鱗(龍のうろこ)」、水餃子は「龍耳(龍の耳)」、うどんなどの麺類は「龍須(龍のひげ)」や「扶龍須」と呼ばれる。特に、春に収穫される様々な野菜を材料に用いる春餅は、そうした食材が入荷しにくかった昔の北京では「春を噛む食べ物」とみなされていた。こんにちも、春の始まりを祝う食品として多くの人に食されている。これらの他、きび粉から作られる「龍胆」も人気がある。 旧暦2月2日は二十四節気の啓蟄の時期にあたり、農作物に害を為す虫も出てくる。こうした虫を追い払うため、火を燃やして煙を出したり(薫虫)、塩に漬けた大豆を油で炒めて大きな音を出す(炒豆)などの儀式も行われていた。
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