黄金の耳輪と鎧を奪われる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 03:23 UTC 版)
パーンダヴァの追放から十三年目に入ろうという頃、アルジュナに勝利を与えようとするインドラ神の策略により、カルナは黄金の鎧をインドラ神の持つ槍と引き換えに失う。事前にこれを察知した父スーリヤ神は、息子に対し「どんな代償を条件に挙げられても決して渡してはならぬ。それはお前の命を縮めることになり、パーンドゥの勝利を決定的にするからだ」と忠告をするが、カルナは死はもとより覚悟の上であり、インドラ神の願いを聞き入れて耳飾りと甲冑を失い、戦場で倒れるなら、自分の名誉は一層輝きこそすれ貶められることはない、また師から授かった武器で宿敵アルジュナを倒して見せると宣言し、その忠告に感謝しつつ拒否する。 カルナは毎日正午に沐浴し、父である太陽を礼拝する習慣があった。そしてそのときバラモン僧が施しを求めてきたならば、何を乞われても望みの品を贈っていた。(これは、カルナが過去に沐浴後にバラモンから布施を請われた際に何もやるものがなかったことを恥じていたためである)そこでインドラはバラモンの姿に化けて正午にカルナの前に現れ、彼の黄金の鎧を所望した。カルナは驚いて、この鎧は自分の体と一体になっており脱ぐことができないと説明し、別のものを要求するよう懇願した。しかしバラモンはそれを拒否し、彼の鎧を要求し続けた。そのうちカルナはこのバラモンの正体に気づき、その要求にこたえることにした。代わりにインドラ神の持つ決して的を外さない槍を要求し、インドラ神はそれを受け入れる。彼は苦痛に耐えながら小剣で体とつながっている部分を切り裂いて、体を血に染め、微笑を浮かべながら鎧をインドラに手渡した。 この事実を知って、パーンダヴァに与するものは安心し、カウラヴァに与するものは大いに嘆いたという。
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