鱗形屋三左衛門とは? わかりやすく解説

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鱗形屋三左衛門

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/17 02:27 UTC 版)

鱗形屋 三左衛門(うろこがたや さんざえもん、生没年不詳)は、主に万治期から天和期にかけて[1]、江戸で活動した地本問屋鱗形屋の二代目[1][2]。林鶴堂と号す[3]。初代は鱗形屋加兵衛[4]、三代目は鱗形屋孫兵衛[1][2][5]。山野を姓とする[6]。鱗形屋は江戸末期まで続いており、また、のれん分けによって同じ屋号を称する分家もある[6]

来歴

初代鱗形屋加兵衛は遊女評判記や古浄瑠璃などを手がけたが[2]、三左衛門は万治3年(1660年)に『吉原かが見』を刊行し、寛文年間には咄本仮名草子を刊行、延宝元禄年間には菱川師宣の絵本を多く刊行している[2][7]

また、『阿弥陀胸割』『平家物語一之巻』『こあつもり』『さんせう太夫』などの浄瑠璃本を次々と刊行し[7]鳥居清倍版画、正本、芝居本、評判記、草双紙なども多数出版している[1]

三左衛門は、山本九左衛門鶴屋喜右衛門らとともに、大伝馬町三丁目に店を構え、江戸の古い草双紙絵双紙問屋として知られていた[7]

作品

版画作品は三左衛門版と分かるもののみ作品例に挙げ、鱗形屋版とだけあるものは鱗形屋孫兵衛の項に入れた。

  • 無款(菱川師宣) 『大江山物語絵図』 横大判 墨摺筆彩色12枚組 天和貞享ころ
  • 菱川師宣『岩木絵つくし』絵本 天和2年(1682年)
  • 菱川師宣『浮世続』絵本 天和4年(1684年)
  • 菱川師宣『浮世続絵尽』絵本 天和4年
  • 菱川師宣『大和侍農絵づくし』 絵本 天和4年
  • 菱川師宣『団扇絵づくし』絵本 天和4年
  • 菱川師宣『大和絵つくし』絵本 延宝8年(1680年)
  • 観世左近太夫著 『舟弁慶』 絵本 貞享4年(1687年)
  • 鳥居清倍 『市川団十郎の曽我五郎』

脚注

  1. ^ a b c d 柏崎順子『鱗形屋』一橋大学語学研究室、2010年12月25日。doi:10.15057/18914https://doi.org/10.15057/189142023年4月25日閲覧 
  2. ^ a b c d 鈴木淳『菱川師宣絵づくし考』国文学研究資料館、2015年3月13日。doi:10.24619/00000959https://doi.org/10.24619/000009592023年4月25日閲覧 
  3. ^ 近世書林板元総覧』、104頁https://dl.ndl.go.jp/pid/12277408/1/75 
  4. ^ 近世書林板元総覧』、103頁https://dl.ndl.go.jp/pid/12277408/1/74 
  5. ^ 近世書林板元総覧』、105頁https://dl.ndl.go.jp/pid/12277408/1/75 
  6. ^ a b 川瀬一馬日本書誌学用語辞典雄松堂書店、1982年、32-33頁https://dl.ndl.go.jp/pid/12237105/1/32?keyword=鱗形屋 
  7. ^ a b c 西山、143p

参考文献




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