魚豊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/27 13:06 UTC 版)
うおと
魚豊 |
|
---|---|
生誕 | 1997年5月29日(28歳)[1][2] 日本・東京都[3] |
職業 | 漫画家 |
活動期間 | 2018年 - |
ジャンル | 青年漫画 |
受賞 |
|
魚豊(うおと、1997年5月29日 - )は、日本の漫画家。東京都出身。
来歴
幼少期から絵を描くことが好きで、漠然と漫画家になりたいと思っていた。中学1年生の時にアニメ『バクマン。』を偶然見て、漫画家になるまでの流れを知り、作品の投稿を始める[1][4]。
2017年に週刊少年マガジン新人漫画賞で入選した読み切り作品「佳作」が『別冊少年マガジン』(講談社)に掲載され、デビュー。2018年上半期ごろには『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』のアシスタントも務めた[5]。
2018年11月6日から2019年8月6日まで、『マガジンポケット』(同)にて足が速い少年を描いた『ひゃくえむ。』を連載[6]。同作の連載が終了すると、魚豊は「各誌の有名編集者から執筆してほしいと引く手数多」な状態であった[7]。同作の「最終巻が発売される前」、Twitterにて『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)の編集者の千代田と知り合う[7]。当時入社3年目の千代田は経歴上で不利であったが、米代恭と米代の担当編集者の金城を交えて4人で飲み会を行い、最終的に魚豊は同誌で連載することを選んでいる[7]。
2020年、『ビッグコミックスピリッツ』にて地動説を描いた『チ。-地球の運動について-』の連載を開始[8][9]。同作が魚豊の同誌初登場作品となる[8]。
2021年7月に『ビッグコミックスピリッツ』の新人賞がリニューアルし、「スピリッツ新人王決定戦」の開催が決定[10]。魚豊が第1回の審査員に起用[10]。
2022年、『チ。-地球の運動について-』で第26回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞[11]。2023年、同作で第54回星雲賞コミック部門を受賞[12]。
2023年8月21日より『ようこそ! FACT(東京S区第二支部)へ』を『マンガワン』ならびに『裏サンデー』にて連載開始[13]。
2024年8月23日に、Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024 ENTERTAINMENT & SPORTSを受賞[14]。
人物
ペンネーム「魚豊」は、自身の好物である魚『鱧(ハモ)』に由来する[4]。
2021年5月5日放送の読売テレビ『川島・山内のマンガ沼』の取材では「現在23歳で投稿は13歳から始めた」と答えている[4]。
ロックバンドのamazarashiを昔からよく聴いており、amazarashiのボーカルである秋田ひろむと「互いに相手のために制作した新たな作品を発表し、作品を通じて会話を交わす」という往復書簡プロジェクトを立ち上げたことがある[16]。
影響を受けた人物は千鳥の大悟とフリードリヒ・ニーチェ[17]。
影響を受けた漫画は『寄生獣』『ピンポン』『闇金ウシジマくん』『カイジ』『亜人』『DEATH NOTE』[4]。
作品リスト
連載
- ひゃくえむ。(『マガポケ』2018年11月6日[6] - 2019年8月6日)
- チ。-地球の運動について-(『ビッグコミックスピリッツ』2020年42・43合併号[8] - 2022年20号[18])
- ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ(『マンガワン』2023年8月21日[13] - 2024年2月19日[19])
- Dr.マッスルビートル(原案、原作・作画:古町[20]、『週刊少年チャンピオン』2025年8号[21] - 連載中)
読み切り
- パンチライン(『マガメガ』2016年7月) - 週刊少年マガジン2016年5月期MGP(マガジングランプリ) 佳作作品[22]、「
福内鬼外 ()」名義、デビュー前作品。 -
100'M ()(『マガメガ』2017年3月) - 97回週刊少年マガジン新人漫画賞 特別奨励賞&安田剛士賞作品[23]、『ひゃくえむ。新装版』上巻に併録、「中嶋魚豊 ()」名義、デビュー前作品。 - 佳作(『別冊少年マガジン』2017年7月号) - 98回週刊少年マガジン新人漫画賞 入選作品[23]、『ひゃくえむ。』4巻、『ひゃくえむ。新装版』下巻に併録、デビュー作品。
-
執刀 ()(『別冊少年マガジン』2017年12月号) - 『ひゃくえむ。』4巻に併録。
書籍
- 『ひゃくえむ。』、講談社〈KCデラックス〉2019年、全5巻[注釈 1]
- (新装版)講談社〈KCデラックス〉2022年、全2巻
- 『チ。-地球の運動について-』、小学館〈ビッグコミックス〉2020年 - 2022年、全8巻
- 『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』、小学館〈裏少年サンデーコミックス〉2023年 - 2024年、全4巻
- 『Dr.マッスルビートル』、原案、原作・作画:古町[20]、秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉、既刊1巻(2025年4月8日現在)
- 2025年4月8日発売[27][28]、ISBN 978-4-253-29861-2
出演
トークイベント
- 漫画家ミライ会議2021〜大漫画時代を生き抜くヒント〜(2021年12月9日[29]) - 千代田修平とのトークセッション「漫画家と編集者の幸せな関係」[29]
- いまマンガはなにを描けるのか ──生きづらさと不合理に対峙するマンガの力(2021年12月13日[30]、東京都ゲンロンカフェ開催) - 米代恭と担当編集者とのトークイベント[30]
- 行け!よしもと漫画研究部!(2022年1月23日[15]、東京都ヨシモト∞ドームのステージI開催) - トークライブゲスト出演[15]
- マンガのハナシ vol.8:チ。のハナシ(2022年9月4日、東京・ロフトプラスワン)-千代田修平、 大坪ケムタ 、ジュンスズキとのトークイベント
- チ。マミレ(2023年4月30日東京都早稲田大学大隈記念大講堂)-企画集団便利舎によるトークライブにティモンディ前田とゲストとして出演
放送等
- 漫道コバヤシ(2022年1月25日、フジテレビONE)
- 朝日新聞ポッドキャスト(2022年6月28,29日) - 約30分×2回、来歴や『チ。』について話した。
- アフター6ジャンクション(2022年6月28日、TBSラジオ) - 宇多丸と宇垣美里を相手に約30分、来歴や『チ。』について話した。
- 週刊マンガ獣(2023年1月16日,23日) - 約25分×2回、天津・向と吉川きっちょむを相手に、創作論や趣味について話した。[31]
脚注
注釈
出典
- ^ a b 吉田尚記; 魚豊 (2021年7月11日). “[マンガのラジオ] Vol.13 魚豊さん(その1)「最近24歳になりました」”. マンガのラジオ (Podcast). Omny Studio. 2024年8月9日閲覧.
- ^ “魚豊 作品一覧”. ビッグコミックBROS.NET. 小学館. 2024年8月9日閲覧。
- ^ “"絶対”なんてないから面白い! 『ひゃくえむ。』魚豊先生に聞く人生の醍醐味! 前編”. マガポケベース. 講談社 (2019年8月11日). 2024年8月9日閲覧。
- ^ a b c d “魚豊先生に聞く『チ。』のタイトルに込めた意味|川島・山内のマンガ沼web”. マンバ通信 - マンバ. 株式会社マンバ (2021年5月7日). 2021年10月15日閲覧。
- ^ “マガポケ6周年記念読み切り『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』 - 原作/天樹征丸 金成陽三郎 さとうふみや 漫画/船津紳平 / 【特別読み切り】”. マガジンポケット. 講談社 (2021年8月1日). 2024年8月9日閲覧。
- ^ a b “誰よりも速く100mを走ればいい、マガポケ新連載「ひゃくえむ。」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年11月6日) 2021年12月30日閲覧。
- ^ a b c “米代恭×魚豊が3時間半の創作談義、なぜフィクションを描く?たった1つの確固たる理由”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年12月17日) 2021年12月30日閲覧。
- ^ a b c “「ひゃくえむ。」の魚豊がスピで“真理”求める新連載、映像研×乃木坂46連続企画も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年9月14日) 2021年12月30日閲覧。
- ^ “地動説描く「チ。」1巻、「寄生獣」岩明均が“まぎれもない才能を感じる”と推薦”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年12月11日) 2021年12月30日閲覧。
- ^ a b “「チ。―地球の運動について―」魚豊が審査員に、スピリッツ賞がリニューアル”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年7月5日) 2021年7月5日閲覧。
- ^ “第26回手塚治虫文化賞マンガ大賞は魚豊「チ。」、新生賞に谷口菜津子”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年4月25日) 2023年8月5日閲覧。
- ^ “「チ。―地球の運動について―」が星雲賞コミック部門を受賞、 アート部門に鶴田謙二”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年8月5日) 2023年8月5日閲覧。
- ^ a b “「チ。」の魚豊氏による新作漫画「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」がマンガワンにて連載開始!”. インプレス (2023年8月16日). 2023年8月16日閲覧。
- ^ “FORBES JAPAN 30 UNDER 30 2024「世界を変える30歳未満」30人”. Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024 特設サイト. Forbes JAPAN. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b c “実はお笑い大好き「チ。」の魚豊、マンガ好きよしもと芸人のトークライブに出演”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年12月23日) 2021年12月23日閲覧。
- ^ “往復書簡プロジェクト「共通言語」”. amazarashi official web site. ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ (2022年3月30日). 2025年3月17日閲覧。
- ^ 『#7 漫画家魚豊 MC:令和ロマン髙比良くるま&穂志もえか』(Spotify)、2024年10月6日、該当時間: 13m10s。2025年3月7日閲覧。
- ^ “チ。-地球の運動について-:地動説マンガが完結 「スピリッツ」話題作”. まんたんウェブ (MANTAN). (2022年4月18日) 2022年4月18日閲覧。
- ^ マンガワン/裏サンデー [@MangaONE_jp] (19 February 2024). “/本日更新『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』\本日最終回!!!”. X(旧Twitter)より2025年1月23日閲覧.
- ^ a b 魚豊、古町「Dr.マッスルビートル 第2話」『週刊少年チャンピオン』2025年9号、秋田書店、2025年1月30日、175頁。
- ^ “世界平和のため全人類をマッチョに!「チ。」魚豊×「ヒソカニアサレ」古町の新連載”. コミックナタリー. ナターシャ (2025年1月23日). 2025年1月23日閲覧。
- ^ “MGP結果発表 2016年5月期”. マガメガ. 2021年9月26日閲覧。
- ^ a b “新人漫画賞結果発表”. マガメガ. 2021年9月26日閲覧。
- ^ “魚豊のツイート (1105409365555593216)” (2019年3月12日). 2021年5月8日閲覧。
- ^ “魚豊のツイート (1110486479610888193)” (2019年3月26日). 2021年5月8日閲覧。
- ^ “マガジン運営『マガポケ』“人気漫画”定義の変化「SNSの声、無視できない」 PV評価よくない作品異例の単行本化”. ORICON NEWS (2019年6月8日). 2021年5月9日閲覧。
- ^ “魚豊×古町が描く、壮大な夢を持つマッチョ青年の物語「Dr.マッスルビートル」1巻”. コミックナタリー. ナターシャ (2025年4月8日). 2025年4月12日閲覧。
- ^ “Dr.マッスルビートル 第1巻”. 秋田書店. 2025年4月12日閲覧。
- ^ a b “コミティア・TikTok売れ・WEBTOONがテーマ、令和のマンガ家に向けたトークイベント”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年11月14日) 2021年11月14日閲覧。
- ^ a b “「往生際の意味を知れ!」米代恭×「チ。」魚豊が担当編集とともに“マンガの力”語る”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年11月30日) 2021年11月30日閲覧。
- ^
吉川きっちょむ┋マンガ大好き芸人(ウーピーウーピー) [@kittyomz] (23 January 2023). “【18時更新!】漫画・アニメに詳しい天津向さんとのポッドキャスト!📢『#週刊マンガ獣』👉http://anchor.fm/u5409u5ddd5 今回も【#魚豊】先生が登場!📚『#チ。-地球の運動について-』📚『#ひゃくえむ。』後半です!毎週月曜18:00更新!Spotify、Apple podcastsなどで配信中!”. X(旧Twitter)より2023年1月23日閲覧.
{{cite web2}}
: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)
外部リンク
- 魚・豊のページへのリンク