飼育・培養
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/08 05:58 UTC 版)
本種の変形体の飼育は容易で、モジホコリを培養する簡便な方法、濾紙上にオートミールを置いて育てるようなやり方で簡単に増殖する。このような方法で培養できるものの内でも特に容易なものだという。増井真那は5歳の時から変形菌に興味を持ち6歳から変形体の飼育をしていることで知られるが、本種もよく飼育しており、増井(2017)には本種が繰り返して登場している。彼によるとイタモジホコリの変形体は『敏感で臆病なところがある』のだそうで、別種の変形体との接触をさせた実験で本種が逃げ出す様について『こういう気まぐれなところが、すごくイタモジっぽい』とのことである。 さらに人工培地による培養もかなり早くに成功している。一般に粘菌類の変形体を培養するのはそう簡単でなく、1968年時点で全変形菌の内の10%以下しか培養されていなかったが、それらはごくおおざっぱな方法でのものである。培地中に餌になる生きた微生物、あるいはその死んだものを含まない培地での培養が成功していたのは有名なモジホコリ P. polycephalum を含む数種しかなかった。そんな中でHenney & Henney(1968)は本種をグルコースやヘマチン、酵母エキスなどを含む培地で培養することに成功した。この培地は酵母エキスなど天然の素材を使っているために完全な合成培地とは言えないが、Henry & Lynch(1969)はグルコースとビオチンの他数種のアミノ酸を含む完全な合成培地で本種などを培養することに成功している。
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