風成循環とは? わかりやすく解説

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ふうせい‐じゅんかん〔‐ジユンクワン〕【風成循環】

読み方:ふうせいじゅんかん

海上吹く風の力によって生じる、大規模な海水循環海洋表層海面から深度数百メートルまで)で生じ海流原因とされるコリオリの力によって、北半球では風の向きに対して直角右、南半球では直角左方向流れる。また、海盆西側で強い流れ生じる。海洋大循環一部。→熱塩循環


風成循環

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/18 09:39 UTC 版)

風成循環(ふうせいじゅんかん、英語: wind-driven circulation)とは、風応力英語版によって駆動される海洋循環のことである[1]。風は海洋表面に与えられるため おもに表面から数百メートルの深さに見られる。

北太平洋中緯度の風成循環のコンピュータシミュレーション例。等値線は流線で、流れはこれらの線に沿って時計回り。海面の盛り上がりの等高線とも解釈できる。風は右側に模式的に表されるように、領域北部では西から東、南部では東から西向き。

風が直接大洋に運動量を与えて駆動するのではなく、風は海面近く数十メートルにだけ作用し弱い鉛直流を発生させる。その鉛直流が間接的に海洋内部の南北流を引き起こす。海洋内部では摩擦が無視でき、地球回転によるコリオリ力圧力傾度力が釣り合った地衡流という状態になっていて、効率よく南北流が生じる。

ここでは、例として北太平洋中緯度(日本南岸から赤道程度の緯度)の時計回りの風成循環の例で説明する。日本の上空は偏西風といわれる西から東の流れ、それより南側では貿易風といわれる東から西向きの流れが卓越風である。風の向きとコリオリ力(南半球では北半球の逆向きになる)を適宜変更すれば、南極環流を除く他の風成循環も説明できる。

エクマン層

海洋の表層近く数十メートルまでの深さでは、コリオリ力圧力傾度力と風応力英語版がバランスする。コリオリ力の効果のため表層近くの海水は、風の方向を向いて直角右側に輸送される(北半球の場合。南半球では直角左側)。この流れは発見者のV・ヴァルフリート・エクマンにちなんでエクマン流と呼ばれる。エクマン流による輸送のため、北太平洋中緯度では南向きに、低緯度では北向きに海水が輸送され、領域中央部に海水が集合する。この様子は人工衛星搭載の海面高度計で、数センチメートル程度の海面の盛り上がりとして観測できる。海面は盛り上がり続けることはできず、表層の領域中央部に集合した海水は鉛直下向きの流れとなる。

スヴェルドラップバランス

海洋内部(数十メートル以深で、上記エクマン層の下部)では、風応力は直接作用せずコリオリ力と圧力傾度力がほぼバランスしている(地衡流)。このバランスにエクマン流の収束・発散によって生じた鉛直流が与えられたときの力学バランスがスヴェルドラップバランスである。1947年ハラルド・スヴェルドラップにより提唱された。渦位保存則の応用である。

海洋の運動は、地球流体力学の運動方程式に従う。鉛直方向の温度塩分の変化、および海底地形の効果が無視できるとき、水平方向に数千キロメートルの広がりで、変動の時間スケールが数日程度より長い運動は、微小な項を無視して、




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