音楽技法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 12:22 UTC 版)
「J.F.Kのためのエレジー」の記事における「音楽技法」の解説
ストラヴィンスキーは歌の旋律を最初に作曲した。十二音の音列(セリー)による曲である。ストラヴィンスキーはこの曲で次の音列を使っている。 G♯, D, C, A♯, E, F, B, A, G, F♯, D♯, C♯この音列の最初から7番目の音までに三全音の音程の跳躍が3箇所ある。すなわちG♯からD、A♯からE、FからBの箇所である。 作曲技術の面から分析すると、十二音技法でよく使われる音列の変形が見られる。この曲では音列の原形を使うほか、原形の音列から機械的に導き出される逆反行形を使っている。この逆反行形の音列は歌より1秒余り早く始まるクラリネットによる伴奏パートで使われるほか、歌のパートでは原形の音列による旋律が提示された後に、その旋律の終わりの2音D♯とC♯を逆反行形の音列の始まりとして現れる旋律に使われている。続いて歌は原形の音列を使った旋律が2種類現れ、終わりに最初の旋律を繰り返している。この曲で使われている逆反行形の音列はD♯, C♯, A♯, A, G, F, B, C, F♯, E, D, G♯であるが、これは上記に示した原形の音列を反行させた音列であるG♯, D, E, F♯, C, B, F, G, A, A♯, C♯, D♯を最後の音から最初の音へ逆方向に並べ変えたものである。なお反行形の音列は、歌のパートの逆反行形の音列を使った旋律と次の原形の音列を使った旋律の間に、歌のパートから各クラリネットのパートに受け渡すように使われている。
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