非循環的な選好に対する中村の定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 05:33 UTC 版)
「中村ナンバー」の記事における「非循環的な選好に対する中村の定理」の解説
中村の定理 (Nakamura, 1979, Theorems 2.3 and 2.5). W {\displaystyle W} をシンプルゲームとする。非循環的な選好からなる任意のプロファイル p {\displaystyle p} にたいしてコア C ( W , p ) {\displaystyle C(W,p)} が非空となることは、 X {\displaystyle X} が有限かつ # X < ν ( W ) {\displaystyle \#X<\nu (W)} となることと同値である。 リマーク 中村の定理は、以下に近い形で (コアへの言及なく) 参照されることも多い (e.g., Austen-Smith and Banks, 1999, Theorem 3.2): 非循環的な選好からなる任意のプロファイル p {\displaystyle p} にたいして支配関係 ≻ W p {\displaystyle \succ _{W}^{p}} が非循環的になることは、任意の有限な B ⊆ X {\displaystyle B\subseteq X} にたいして # B < ν ( W ) {\displaystyle \#B<\nu (W)} となることと同値である (Nakamura 1979, Theorem 3.1)。 定理中で「非循環的な選好からなる任意のプロファイル p {\displaystyle p} にたいして」を「否定推移的な (negatively transitive) 選好からなる任意のプロファイル p {\displaystyle p} にたいして」あるいは「線形順序である (すなわち推移的で total) 選好からなる任意のプロファイル p {\displaystyle p} にたいして」と言い換えても、得られたステートメントは正しい。 上記定理は B {\displaystyle {\mathcal {B}}} -シンプルゲームに拡張できる。 ここで B {\displaystyle {\mathcal {B}}} は、 N {\displaystyle N} の部分集合からなる任意のブール代数であり、それに属する要素を「提携」とみなす。 B {\displaystyle {\mathcal {B}}} の例としては、ルベーグ可測集合の σ {\displaystyle \sigma } -代数などがある。「 B {\displaystyle {\mathcal {B}}} -シンプルゲーム」とは、 B {\displaystyle {\mathcal {B}}} の部分族である。選好プロファイルは以下の意味で可測なものに限定するのが適切である: プロファイル p {\displaystyle p} が「可測である」とは、任意の x , y ∈ X {\displaystyle x,y\in X} について、 { i : x ≻ i p y } ∈ B {\displaystyle \{i:x\succ _{i}^{p}y\}\in {\mathcal {B}}} となることである。
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