雪国_(カクテル)とは? わかりやすく解説

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雪国 (カクテル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/07 22:00 UTC 版)

雪国
基本情報
種別 ショートドリンク
作成技法 シェイク
グラス   カクテル・グラス
アルコール度数
度数
25度以上
レシピの一例
ベース ウォッカ
装飾材料 グラニュー糖、ミントチェリー
装飾技法 スノースタイル
材料
ウォッカ …… 40ml
コーディアルライムジュース …… 2tsp
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雪国(ゆきぐに)は、ウォッカをベースとするカクテルであり、ショートドリンク(ショートカクテル)に分類される。

「日本で誕生したオリジナル・カクテル」の代表の1つとして挙げられる[1]

甘みと酸味にバランスが良く、女性やアルコールに強くない人にも好まれている[2]

概要

山形県酒田市でバー・喫茶店ケルン (Kern) を経営していた井山計一が考案し、1959年に発表した[3]

当時、壽屋(現・サントリー)はトリスバーを組織して日本全国に展開しており、トリスバーでは開高健編集の小冊子『洋酒天国』を配布していた。この『洋酒天国』にて創作カクテルコンテスト「全日本ホーム・カクテル・コンクール」が公募されており、雪国は第3回ノーメル賞グランプリのグランプリ作品である[3][4][5]。1959年10月に発行された『洋酒天国』40号では、全国のトリスバーでのアンケートから「1959年のカクテルベスト10」を掲載しているが、雪国は9位にランクインしている。

北方系の蒸留酒であるウォッカを使用し、グラスの縁は白砂糖をまぶすスノースタイル、全体の色も寒色系に仕上げるといったコンセプトの統一が図られている[3]

このカクテルの名称の由来は長らく「川端康成の小説『雪国』に着想を得たもの」[3]だと言われていた。本記事の旧版にもそのように記載があるが、小説ではなく、井山が創作していた川柳をもとにしている[6]

2018年には井山の生涯とカクテル「雪国」誕生秘話を追ったドキュメンタリー映画『YUKIGUNI』が制作され、2019年1月より公開された。2021年に亡くなった井山の追悼イベントとして2022年5月9日から同年5月16日の間は日本全国43のバーで「YUKIGUNI NIGHT」が開催され、それぞれにアレンジされた「雪国」が提供された[2]

レシピの例

材料[7][8][9]
作り方[7][8][9]
  1. グラニュー糖でカクテル・グラスの縁をスノースタイルにする。
  2. ウォッカ、ホワイト・キュラソー、ライム・ジュースをシェイクする。
  3. スノースタイルにしたカクテル・グラスに注ぐ。
  4. グラスの底にチェリーを沈める。

井山が作る際には以下のようなこだわりがあった[2]

  • スノースタイルにする砂糖は「粉雪」とするため、上白糖をミキサーで潰したものを用いていた。
  • スノースタイルはグラスの縁の外側だけにする。これはグラスの内側に砂糖が着くと飲み物の中に糖分が入ることで味が変化することを嫌ったためである。

出典

  1. ^ 岸久「オリジナル・カクテルとは」 『スタア・バーのカクテルブック』文藝春秋、2015年。ISBN 978-4166610402 
  2. ^ a b c カクテル「雪国」生んだ亡き「酒は飲まない日本一幸せなバーテンダー」、映画で「酔える」半生”. 読売新聞オンライン (2022年5月13日). 2022年9月9日閲覧。
  3. ^ a b c d 福西英三 『カクテル教室』保育社、1996年、93頁。 ISBN 978-4586508877 
  4. ^ “94歳現役バーテンダーが明かす、伝説のカクテル「雪国」誕生の真相とは? (2ページ目)”. ダイヤモンド・オンライン (ダイヤモンド社). (2020年12月15日). https://diamond.jp/articles/-/257186?page=2 2021年9月1日閲覧。 
  5. ^ 第24回 93歳のバーテンダーがつくるカクテル「雪国」”. 酒文化研究所. 2021年9月1日閲覧。
  6. ^ “94歳現役バーテンダーが明かす、伝説のカクテル「雪国」誕生の真相とは? (3ページ目)”. ダイヤモンド・オンライン (ダイヤモンド社): p. 3. (2020年12月15日). https://diamond.jp/articles/-/257186?page=3 2021年9月1日閲覧。 
  7. ^ a b 『カクテル完全ガイドうまいつくり方の方程式』(改訂版)池田書店、2021年、106頁。 ISBN 978-4262130705 
  8. ^ a b THE PLACE 『カクテル事典』学研パブリッシング、2014年、109頁。 ISBN 978-4058003206 
  9. ^ a b 上田和男 『カクテル手帳』東京書籍、2010年、98頁。 ISBN 978-4487804009 

外部リンク


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