雀の和歌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 14:28 UTC 版)
新島八重の回想談によると、鶴ヶ城での籠城中、八重が数えた中でも1日に1200発以上の砲弾が撃ち込まれ、城中が轟音と惨劇に包まれていた時、ふと見ると城内の月見櫓に雀が沢山とまっていた。その群れは天守閣の屋根に飛び移り、天守閣の屋根は雀でいっぱいになった。同じ光景を容保も見ていた。砲声が轟く中で突然、容保は歌を一首詠んだという。八重はうまく聞き取れなかったが、砲声がしばし止んだ際に物怖じしない八重は主君に声をかけ、今一度聞かせていただけないかと願った。容保はその求めに応じて、今一度詠んだ。 またも世に さかゆる春を しろしめす すずめ ちよ よぶ 若松の城 知ろしめす(治めるの意)と城しめすを掛け、雀の鳴き声(ちよちよ)と千代に八千代にを掛けている。八重はこの即興の歌を聞き「この主君の為ならば命を捨てるのは惜しいことはない」と感嘆している。
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