院内の現行犯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 17:22 UTC 版)
議院内部において、現行犯人があるときは、衛視又は警察官は、これを拘束し、議長に報告してその命令を待つ(衆議院規則第210条、参議院規則第219条)。前述の場合など、議員以外の者が議院内部において秩序をみだしたときは、議長は、これを院外に退去させ、必要な場合は、これを警察官庁に引渡すことができる(国会法第118条の2)。ただし、議場においては、議長の命令を待たないで、拘束することができないこととなっている(衆議院規則第210条、参議院規則第219条)。これは国会議員の不逮捕特権(日本国憲法第50条)との関係から規定されているものである。日本国憲法上、両議院の議員は、法律の定める場合を除いて、国会の会期中逮捕されない(日本国憲法第50条)。この「法律で定める場合」について国会法は「各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない」としている(国会法第33条)。したがって、この規定から国会議員については院外の現行犯については不逮捕特権が排除される一方、院内における現行犯には理論的には不逮捕特権があることになるが、院内においては議長の議院警察権が及ぶことから議長においてその対応処置をとるべきことを定めた規定である。各議院議長は、議場内における現行犯逮捕の命令(衆議院議長)あるいは現行犯人拘束の命令(参議院議長)を下す事ができる。院内においては、議長が命じない限りは現行犯であっても拘束できないとされる。なお、院内の事件については逮捕許諾請求を待つまでもなく、その院において処置を決することができるものと解されている。
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