関連原価計算の提唱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/23 20:07 UTC 版)
「チャールズ・T・ホーングレン」の記事における「関連原価計算の提唱」の解説
1950年代以降のアメリカ会計学界では、固定費を含むすべての製造原価を製品に集計する伝統的な全部原価計算と、生産量に比例して増加する変動費のみを製品に集計する直接原価計算のいずれが優れているかが激しく争われていた(直接原価計算論争)。この論争は主に外部の利害関係者に対する報告に適するかどうかという観点から行われていた。 ホーングレンは、はじめ経営管理の観点から直接原価計算を支持した。しかし、のちにマープルの未来原価回避説を発展させることによって、「関連原価」(relevant costs)に基づく関連原価計算を提唱した。関連原価は複数の代替案のどれを選ぶかによって変化する原価のことを指し、関連原価計算とは関連原価を製品に集計する原価計算のことである。関連原価計算は実務上はさまざまな問題を抱えていたため普及することはなかったが、理論的には極めて精緻であり、「原価計算史上特筆すべき発想」と高く評価されている。 なお、1980年代になって全部原価計算の流れを汲む活動基準原価計算(ABC)が新たに提唱されると、これに反対して提唱者のロバート・キャプラン(英語版)と激しい論争を繰り広げたが、その後、ホーングレンは自説を改めて活動基準原価計算の支持者となった。
※この「関連原価計算の提唱」の解説は、「チャールズ・T・ホーングレン」の解説の一部です。
「関連原価計算の提唱」を含む「チャールズ・T・ホーングレン」の記事については、「チャールズ・T・ホーングレン」の概要を参照ください。
- 関連原価計算の提唱のページへのリンク