連鎖方式と固定基準年方式(Chain-Linking Method Fixed-Base Method)
固定基準年方式のラスパイレス指数やパーシェ指数は、相対価格の変化が大きい場合、経年変化するにつれて「指数バイアス」がかかることが知られている。すなわち、数量と価格に負の相関があるとき、ラスパイレス指数には上方、パーシェ指数には下方のバイアスがかかる(いわゆる「代替バイアス」)。一方、連鎖指数は以下の式※でもわかるように隣接する2時点間の比較に着目した指数であり、毎期基準改定しているのと同じこととなるため「指数バイアス」はほとんど生じないことが知られている。このため、93SNAでは実質値及びデフレーターの計算においては連鎖方式を採用することが勧奨されている。わが国の国民経済計算では、国内総生産系列(支出側及び生産側)において連鎖方式(実質値:ラスパイレス型、デフレーター:パーシェ型※)が採用されている。
なお、連鎖方式では、実質値における「加法整合性」が成立しない。すなわち、固定基準年方式の場合、実質値の内訳項目を合計したものは、集計項目の実質値と一致するが(「加法整合性」が成立)、連鎖方式では一致しない。このため、わが国の国民経済計算では、主要系列表1では「開差」の欄を設けることで、またフロー編付表2では連鎖の実質値を指数で表章することで、加法整合性の欠如を示している。
国内総生産(生産側)デフレーター※はダブルデフレーションで作成されるため、主要系列表3やフロー編付表2における連鎖デフレーターも同様にダブルデフレーション方式となっている。
※数式略、こちらからPDFでご覧ください(22,23頁参照)。
なお、連鎖方式では、実質値における「加法整合性」が成立しない。すなわち、固定基準年方式の場合、実質値の内訳項目を合計したものは、集計項目の実質値と一致するが(「加法整合性」が成立)、連鎖方式では一致しない。このため、わが国の国民経済計算では、主要系列表1では「開差」の欄を設けることで、またフロー編付表2では連鎖の実質値を指数で表章することで、加法整合性の欠如を示している。
国内総生産(生産側)デフレーター※はダブルデフレーションで作成されるため、主要系列表3やフロー編付表2における連鎖デフレーターも同様にダブルデフレーション方式となっている。
※数式略、こちらからPDFでご覧ください(22,23頁参照)。
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