速度と速さ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 14:50 UTC 版)
日常語としての速度と速さはほとんど区別なく使われている。この場合の速さは、動いている物体が一定時間あたりに進む距離のことを指す。これは移動距離を経過時間で割ったもの [平均の速さ] = [移動距離] ÷ [経過時間] として求めることができ、時速、分速などの単位が用いられる。 これに対して、物理学においては、速さ(英語: speed)と速度(velocity)を区別することがある。速度とは、一義的には力学における質点の運動を表し、運動している質点の単位時間あたりの変位、およびその方向を表すベクトル量である。よって、ベクトルであることを強調する際には、速度を速度ベクトルと呼ぶ。一方、速さとは、速度の大きさ(厳密には絶対値)を表すスカラー量である。この意味で日常語として使われる速さと同義である。 例として東向きを正に取ると、自動車が一定速度で東の方向に走り、1 時間で 60 km 移動した場合、車の速度は「東向きに(+)時速 60 km」となり、車の速さは「時速 60 km」となる。また例えば、マラソン選手が西向きに 40 km を 2 時間で走った場合、そのマラソン選手の速さは 20 km/h、または時速 20 km と表されるが、速度は「西向きに(-)20 km/h」となる。
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