逆函数の微分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 14:32 UTC 版)
実一変数実数値の連続函数 f が一対一(したがって可逆)となるために必要十分な条件は、それが狭義単調となる(極値を持たない)ことである。たとえば、函数 f ( x ) = x 3 + x {\displaystyle f(x)=x^{3}+x} は可逆である。これが単調増大であることはその導函数 f'(x) = 3x2 + 1 が常に正値であることからわかる。 実一変数実数値函数が可微分ならば、その逆函数 f −1 も f'(x) ≠ 0 である限り可微分で、その導函数は逆函数定理により d d y ( f − 1 ( y ) ) = 1 f ′ ( f − 1 ( y ) ) {\displaystyle {\frac {d}{dy}}(f^{-1}(y))={\frac {1}{f'(f^{-1}(y))}}} で与えられる。これは x = f −1 (y) とおくと d x d y = 1 d y / d x {\displaystyle {\frac {dx}{dy}}={\frac {1}{dy/dx}}} と表すことができる。これは連鎖律から導くことができる。 逆函数定理は多変数函数に対しても一般化することができる。特に、多変数可微分函数 f: Rn → Rn は、点 p における f の函数行列が可逆である限り、点 p の近傍で可逆である。この場合、点 f(p) における f −1 の函数行列は p における f の函数行列の逆行列である。
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