農作業用上衣 (のうさぎょうよううわぎ)
秋田県の中央地域で着用された水田作業着である。頭から顔にかけて、長てぬぐいという珍しいかぶりものを着装する。上衣は紺木綿に刺し子をしたもの、下衣は紺木綿のすねこでたちをはく。半幅の裂き織りの帯を結び、刺し子の前かけをかけ、長手甲、脚絆をつけて身支度が出来上る。形状は、半袖で袖下に四角い三角に折った襠(まち)を挿入してある。衽(おくみ)なしの半襦袢形式で、衿は身頃にくい込む方法である。裾部は15cmの馬乗りがあり、袖下の襠とともに機能性が重視してある。衣材料は、表を紺木綿、裏は浅黄木綿を2枚合わせて、横段に1.5cm間隔のぐし縫いによる刺し子を行ない、布の経済性を増すと同時に、装飾性を示している。また、袖口・裾・馬乗りにへりとりをしている。 |
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