転炉での技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 01:49 UTC 版)
炉壁の保護 炉の内壁は高温に耐えるために酸化シリコンと共に黒鉛も含まれている。内壁の黒鉛成分は高温で空気中にさらされると酸化によって失われるために、出来るだけ溶銑かスラグで覆われる必要がある。溶銑が入って高圧酸素ジェット流などでの処理中は空気から遮断されるが、溶銑が排出された後は内壁がむき出しになるため、出鋼後は転炉を大きく傾けて残ったスラグで内壁を覆う作業によって内壁をコーティングする。都合の良いことにスラグは転炉内壁に付着しやすい性質を持つ。 フォーミング 転炉では上から高圧純酸素を吹きつけて溶銑内の炭素を一酸化炭素にして取り除く。このパイプはランスと呼ばれ、ガスのジェット流を吹きつけながら転炉内部深くに差し込まれる。溶銑の上に浮かぶスラグ内では一酸化炭素が泡となるため膨張する。これがフォーミングである。転炉内ではランスからの高圧酸素ジェット流とスラグの泡立ちによって内部のスラグと溶銑が持ち上がるために、転炉の容量に比べて内部の溶鋼は少なくなっている。 MURC法 Multi Refining Converter法と呼ばれるスラグの排出量を抑えた転炉操業法がある。 溶銑装入:溶けた銑鉄を取鍋(とりなべ)から転炉に注ぐ ブロー1:溶銑の予備処理として脱炭精錬前に溶銑中の燐や珪素を除去する 中間排滓(-はいさい):燐・珪素濃度が高くなったスラグを捨てる ブロー2:脱燐・脱珪素処理が済んだ溶銑に新たなスラグを加え、さらに燐と炭素の除去を行なう 出鋼:溶鋼だけを側面のノズルから出す スラグ固め:最後に残った燐濃度の低いスラグを再び溶銑装入工程に使用する
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