豊川海軍工廠製の九九式普通実包
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1944年(昭和19年)頃から豊川海軍工廠において、通常のものとは仕様の異なる九九式普通実包が少数生産された。この実包の大半は、海軍が生産を行っていた九九式小銃(特)で使用された。 弾丸は海軍航空機銃等で使用される七粍七機銃弾薬包(.303ブリティッシュ)の普通弾(イギリスのMk.7実包のコピー)と同じものを使用した。この弾丸は黄銅で被甲してあり、弾身先端部にはアルミニウムの代わりにグッタペルカ様のものが詰められており、弾身後部は硬鉛である。装薬は海軍で一般的に使用されたグラファイト・コーティングされたニトロセルロース製管状薬(八九式一号火薬)約2.7gを使用した。雷管は七粍七機銃弾薬包と同様の大型のドーム状雷管を用いた。薬莢の全長は通常の九九式普通実包より約1mm程短く、七粍七機銃弾薬包の薬莢の全長とほぼ同等である。また、弾丸の固定のため莢口周囲に三点駐刻が施されていた。以上の様に七粍七機銃弾薬包と共通点が多いのは、既存の弾薬製造機械に大きな変更を加えることなく生産するためであったと考えられている。
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