諸葛監とは? わかりやすく解説

諸葛監

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 17:42 UTC 版)

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翠柳芙蓉白鷺小禽図 絹本着色 明和2年(1765) 神戸市立博物館

諸葛 監(しょかつ かん、享保2年(1717年) ‐ 寛政2年(1790年))は、江戸時代中期に活躍した南蘋派絵師

は子文。通称は清水又四郎。別号に静斎・湖南・古画堂等がある。

略伝

江戸の富裕な家に生まる。南蘋派・長崎派の絵師だが長崎には遊学せず、中国古画や沈南蘋などの画を集めて独学。熱中しすぎて身代を潰したという(『雲室随筆』)。画姓の諸葛は1748年延享5年)に来舶した人諸葛晋(南陽晋)に私淑したことから名乗った。江戸で南蘋画風を始めた最初期の絵師であり、これは江戸で南蘋派を代表する絵師・宋紫石より早い。岩村藩松平家の御用を勤め、一時姫路藩酒井雅楽助家に仕えたともいわれる。

強烈な色彩と墨線、濃厚な陰影の画様で花鳥画を得意とした。1759年宝暦9年)頃刊行の『冬至梅宝暦評判記』では、唐画の名手とされ、南蘋風の作品に定評があったようだ。実際、沈南蘋の作品など、中国画を模写した作品も残っている。また、細部へのこだわりを強く感じさせる作品も多い。

性格は剛毅で己を曲げず、貧困のうちに没したという。享年74。弟子に源鸞卿など。子は渡辺玄対に入門したが、画業は継がなかったらしい。

作品

作品名 技法 形状・員数 寸法(縦x横cm) 所有者 年代 落款・印章 備考
罌粟ニ鶏図 絹本著色 1幅 111.0x41.0 板橋区立美術館 1758年宝暦8年)
翠柳芙蓉白鷺小禽図 絹本著色 1幅 133.4x52.7 神戸市立博物館 1765年(明和2年) 款記「乙酉孟冬湖南諸葛監写」/「者葛監印」白文方印・「思文氏」朱文方印
白梅ニ鳥図 絹本著色 1幅 109.9x39.6 板橋区立美術館
松ニ虎図 絹本著色 1幅 110.0x45.0 板橋区立美術館
虎図 絹本著色 1幅 89.3x44.6 千葉市美術館 款記「湖南諸葛監写」/諸葛監印」白文方印・「子文氏」朱文方印・「自姉一家」白文長方印
白梅小禽図 絹本著色 1幅 106.1x34.9 千葉市美術館 款記「湖南諸葛監写」/諸葛監印」白文方印・「子文氏」朱文方印・「静斎」白文長方印
牡丹図 1幅 摘水軒記念文化振興財団蔵(千葉市美術館寄託

出典

  • 成澤勝嗣「日本の南蘋系ノート」(『季刊古美術』 第93号) 三彩社、1990年
  • 板橋区立美術館編集・発行 『板橋区立美術館所蔵 狩野派以外全図録』 2013年2月

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