訴因変更命令
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 23:09 UTC 版)
刑事訴訟における当事者主義の帰結として、裁判所は、検察官の設定した訴因を逸脱して事実認定をすることができない(これに反して訴因逸脱認定がなされた場合、絶対的控訴理由(378条3号)となる)。しかし、この原則を貫くと真実発見(1条)が阻害される場合もあるので、刑事訴訟法では、裁判所が検察官に対して訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命令できるとしている(312条2項)。訴因変更命令と呼ばれる。 訴因変更命令に形成力が認められるか、すなわち、命令を発したが検察官がこれに従わない場合にも訴因変更の効果が生ずるか、には争いがある。判例・通説は、当事者主義の帰結として、形成力はないとしている(最大判昭和40年4月28日刑集19巻3号270頁)。したがって、当初の訴因では有罪認定ができないが、別の訴因であればそれができる、という場合であっても、検察官があくまで当初の訴因を維持するときには、裁判所としては無罪判決を下さざるを得ない。 訴因変更命令義務 最判昭43.11.26
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